イー・ウーマン（ewoman）

環境と経済の両立（unagi・東京都・61）

環境と経済の両立は難しいとよく聞きますが、環境を無視した経済成長が頭打ちになることは周知の事実だと思います。そういう意味で、サステナブルファイナンスはごく自然な流れだと考えます。しかし、まだあまり知られていないようであれば、海外でどのようなインパクトを与えているのかをもっと広く周知して欲しいと考えます。また、私たち一人ひとりも持続可能な社会に貢献する企業を評価するなどのアクションが重要だと考えます。

啓蒙活動と認証制度（DiamondBar・東京都・53）

サステナブルファイナンスは、お金に「サステナブル」という使い道を定義したものだと思う。「震災復興」という名のもとに関係ない事業にも多くの資金が使われたことから、こういう掛け声へ不信を抱く人も多いと思う。そのためにも、なぜサステナブルが問われるのかという啓蒙活動と、中立な機関によるチェックと認証をしていくのがいいと思う。グリーンボンドではこういった仕組みがあるが、もっと対象を広げて名実一致する仕組みができるといい。

MDGsで救えなかった人が先！（シンゴパパ・静岡県・55）

経済的・物質的な豊かさを享受しながら、地球環境の維持を両立させることは基本的には「不可能」と言わざるをえません。それでもといえば、エネルギーを可能な限り使わない、移動しない、出来るだけモノを作らないことだと思います。SDGsは、みなさんご存知の通りMDGsの反省（救えない人々）のもとに始まっています。SDGsのための活動であれば、経済的・物質的な豊かさは、まずはMDGsで救えなかった人々のために進めるのが良いと考えますが、そうすると地球環境の維持はますます困難になります。

消費行動からできること（ひるね・東京都・55）

ESG投資は知っていましたが、サステナブルファイナンスという言葉は知りませんでした。私自身は融資、投資は考えたことがありませんが、消費行動で持続可能な社会に貢献できると思っています。できるだけ環境に配慮している商品、サービスを選ぶことを目指しています。例えば服を整理した際、以前は処分していましたが、今は古着で世界の子どもにワクチンを寄付できる仕組みを利用しています。服はカンボジアなどで販売されるので、環境にもやさしいと考えています。

配慮で両立（真打ち・栃木県・53）

自宅の庭に、狸が出没することがある。獣害扱いされるが、出没を怒る人に「動物の住処を人間の都合で奪って来て、被害者はむしろ動物ではないか。」と、話す時がある。SDGsの一部は、豊かさを求め発展した背景に立ちはだかる、代償的な要素もある。社会課題の解決と金融の両立と同様、止むを得ない自然破壊に対しては、例えばSDGsの11と15の連携で『自然への配慮を欠かさない街づくり』にする等、目標同士が配慮し合える仕組みが、結果的に平和な社会の実現に通じると、私は思う。

今回も、多くのご意見をいただき、ありがとうございます。
前回、経済と環境の両立は可能なのか、問題を提起させていただきました。
 
シンゴパパさんからは、この両立は基本的には「不可能」としつつ、エネルギーを可能な限り使わない、出来るだけモノを作らない、といったライフスタイルを提案されています。
 
真打ちさんが言われるように、SDGsは、互いにトレードオフが生じることもあります。例えば森を切り開いて太陽光パネルを設置すれば、再生可能エネルギーは増えますが、森林資源は失われることになります。何がサステナブルなのかは、常に明確ではなく、判断を要する面があります。
 
DiamondBarさんからは、「サステナブル」について、中立的な機関によるチェックと認証が重要とのご指摘がありました。サステナブルファイナンスが広がるほどに、こうした、市場の透明性・信頼性の確保が重要となってきます。政府も、国際的な基準に準拠した、グリーンボンドやソーシャルボンドのガイドラインを定めています。
◆グリーンボンドガイドライン
◆ソーシャルボンドガイドライン
 
ひるねさんからは、「消費行動で持続可能な社会に貢献できる」とのご意見をいただきました。サステナブルな経済・社会を目指すためには、商品・サービスを供給する企業の側の取組みももちろん重要ですが、結局、それを需要する消費者・国民が何を欲するかによって、供給のあり方も決まっていくこととなります。
 
Unagiさんからも、「持続可能な社会に貢献する企業を評価するなどのアクションが重要」とされています。どのようなビジネスも、環境や社会への配慮なしに持続することはできません。サステナブルファイナンスは、対象となる事業・企業の環境や社会への適合性を高め、中長期的にリスクの軽減や収益の確保を図る金融手法であるといえます。
 
私たち一人ひとりが、自分が利用する商品・サービスを選ぶことができます。また、直接、「投資」活動を行っている人は一部かもしれませんが、私たちのお金を預けている銀行、保険会社、年金基金等も最近はサステナブルファイナンス、ESG投資を増やしています。自分のお金の「使われ方」を考えてみたことがありますか？　サステナブルな社会に貢献するために、私たちは何ができるでしょうか。何をすれば良いでしょうか？





★高田議長の過去の円卓会議より
・カジノを含む「統合型リゾート」導入、関心ありますか？
・財政の問題、分かりやすく伝わっていると思いますか？
・日本の財政について、考えたことはありますか？

• 2022.09.14
• 高田英樹 金融庁 総合政策局 総合政策課長