イー・ウーマン（ewoman）

今後に期待（le petit prince・千葉県・29）

日本企業の環境問題、労働問題の考え方はまだまだ不透明で消費者の私たちが理解しにくいと思います。今後、コーポレートガバナンス・コード改訂による上場企業の開示をきっかけに、もっと消費者に向けた自社の取り組みを示して欲しいです。また、WWFで行われている、中国における繊維生産改善プロジェクト、とても面白いと思いました。もっと世界全体でこの問題について知ることで、今後を豊かにすることが出来るのではないかと思いました。

今はスタートライン（Michael・新潟県・53）

日本企業の説明責任は取組みが始まったばかり、徐々に始めた企業もある反面、大部分は必要性を認識していない段階だと思います。こうした説明は製品や株式を選ぶ参考になります。また、国内では技能実習制度は今後の労働環境の課題だと思いますし、ウイグル問題はもう間に合わない危機と感じていますが実効性ある手立てが浮かびません。色々考えると身動き出来ませんが、かかるものはかかると考え、本当に必要な物を必要な分、とことん使い切ることを心がけたいです。

日本の企業の大半は中小零細企業（nekosaurus・愛知県・52）

中小零細の農家は、消費者に近いこともあり、環境や自分たちの労働に対して問題意識を持って取り組んでいます。また、中小零細の加工業者も、生産者や消費者に近いので、問題に気づきやすい位置にいます。私が思うに、問題に一番無頓着なのは、大企業なのではないでしょうか。大企業を運営していくためには些末なことに気を取られている暇はないのかもしれませんが、企業の看板だけで判断しない消費者が増えてきていることに気付いてほしいと思います。

説明はしているが何かが足りない（ニライカナイ・東京都・50）

企業が説明責任を果たしているか。調べてみると、たとえばファーストリテイリングも良品計画も自社サイトでは環境や人権（労働）問題についての方針や現状を説明しており、今回のことでも声明を発表している。ただなにかが足りない感じがする。根拠となるデータや現地の実状を伝える何かだろうか？また、説明不足は内容だけでなくて消費者に届いていない点にも問題があると思う。

生産性の向上（Jerryb・東京都・54）

この20年ほどで日本は貧しくなったと感じています。結局のところ消費者が安いものしか買えないから、安い海外原料や海外生産を利用して企業は安い物を作り、労働環境も見なくて済むのだと思うのです。企業には新素材の開発とともに、DXなどで生産性を上げて自社の従業員に高い給与を払ってほしいです。巡り巡って全体が豊かになってはじめて、地球規模の持続可能性について考える余裕ができるのでは。

五感を使った企業研修はどうか（しのんぬ・東京都・32）

統合報告書やCSRレポート等で最低限のことを軽く触れるのみで、説明「責任」を果たしているかと問われるとNoな気がします。環境問題等は実感が無ければ行動も伴わなければならないと思うので、通常の知識インプット型に加え、環境問題が起きている国内外の地域へまずは役員等が訪問し、手や足を動かす研修を採り入れるのはどうでしょうか（コロナで現在は難しいと思いますが…）。

企業の社会的責任（yn58・東京都・54）

新疆綿といえば高品質というイメージがすり込まれていました。新疆綿を使った商品を買わないという行動がウイグルの人々の強制労働の問題解決に資することになるのでしょうか。市場に大きなシェアを持つ新疆綿をまったく使わないということが可能なのか、むしろ新疆のウイグル人の収入を減少させることにならないのか、企業が単に使わないという選択をすればそれでよいのか考えさせられます。自分なりの回答がまだ出ませんのでNOを選択しました。

日常から（n.dan　・広島県・47）

サステナビリティについての取組みをよく見掛けるようになりました。今までやってきたことを当てはめていたりして、より深めていると思っています。日本の企業は、外国に比べ遅いと感じます。１人ひとりが日常から関心を高める必要があると思います。

割と頑張っている（DiamondBar・東京都・52）

上場企業に関しては、大企業や有名企業でなくても、かなりの会社がSDGｓやＥＳＧに関するデータや資料を開示しています。小さな会社でも対応しているのに驚く一方で、開示すべき情報は専門的な内容も多く、体力的にも大変だろうと思いました。上場企業は頑張っているというのが私の印象です。年金や投資信託の運用会社はかなりこういうことを意識しているので、我々が預金から株式投信などの投資先をシフトすることでも上場会社の意識は強化されていくと思います。

「日本の企業は、環境・労働問題について、説明責任を果たしていると思いますか？　また、あなたは企業に対してどのようなことを望んでいますか。」という問いかけに、多くのご意見を頂きました。
 
【YES】の立場から、le petit princeさんからは、「もっと消費者に向けた自社の取り組みを紹介して欲しい」、Michaelさんからは「日本企業の説明責任は取組みが始まったばかり」というコメントを頂きました。nekosaurusさんからは、「中小零細の農家は、環境や自分たちの労働に対して問題意識を持って取り組んでいる」「大企業に気付いてほしい」とのご意見です。ニライカナイさんは、「説明しているが、実状が分からない、消費者に届いていない」と述べています。Jerrybさんは、「日本は貧しくなっている」、給与を上げて、全体が豊かになることで持続可能性について考える余裕ができると指摘されています。
 
【NO】の立場から、しのんぬさんは、統合報告書の記載だけではなく、現地へ役員等が訪問して研修を取り入れることを提案しています。yn58さんは、新疆のウイグル人の収入を減少させるような企業の選択は効果がるのか疑問だとされています。n.danさんは、日本の企業は海外に比べて遅いと感じるとコメントされています。DiamondBarさんは、上場企業はSDGｓなどに関するデータや資料を開示して頑張っている。これからも企業の意識は強化されていくだろうと期待されています。
 
たしかに、国連がSDGｓを公表したのは2015年、つまり僅か数年前です。また、ESGが急速に広まったのもつい最近のことです。企業にとっても、何を、どこまで説明すればよいか、戸惑いがあるでしょう。また、Jerrybさんが、日本は貧しくなっている、給与が安いから安い商品しか買えない、というご指摘には、ハッとさせられました。程度や質の違いはあるにしても、日本にも、環境・労働問題はあります。
 
Michaelさんのおっしゃる通り、取組みは始まったばかりだと思います。安い商品を買うな、というのは無理です。しかし、そこに隠された不都合な真実にどう向き合うべきか。幸いにして、現在主要国間では戦争はなく、協調する動きが高まっています。消費者が安心して商品を買うことができる、生産者を応援できる、そんな持続可能な社会になるため、企業と消費者そして投資家が連携していくことが重要ではないでしょうか。
1週間、たくさんのご意見をありがとうございました。

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• 2021.06.11
• 佐藤 泉 弁護士、第一東京弁護士会環境委員