イー・ウーマン（ewoman）

コットンに変わる繊維？（ニライカナイ・東京都・50）

ウイグル綿の人権問題だけでなく、綿産業が抱える環境面での課題も考えると、SDGsとマッチしない点がいくつもあり持続可能な産業とは言えません。農薬問題はオーガニックコットンにシフトするとしても、「水」問題が立ちはだかります。大量の水・農薬・労働力を必要としない、コットンに変わる繊維（もちろん石油由来ではない）を早急に開発する必要があるのではないでしょうか。それを行いつつ、現状では第三者機関による認証も進めてほしいです。

産業限定の制裁では効果がない（walk714・北海道・45）

映画「ザトゥルーコスト」でファストファッションと強制労働の問題を見て以来、洋服を購入する時は必要かを熟慮するようになりました。食品のようなトレーサビリティの確認が難しく、服のタグに記載された国名で判断するしかないので他に判断できるものが有れば、と思います。新疆綿の生産加工で現地の生活が成り立ってはいますが、その輸出に制限を加える程度の経済制裁では、今の中国政府には効果がないと思います。

企業が賛同し、影響力を高める（ひるね・東京都・54）

綿の生産がこんなに環境に厳しいとは思いませんでした。日本サステナブル・コットン・イニシアチブのサイトも読みました。新疆綿については米国の思惑も無関係とは思えませんが、いずれにしても持続可能な方法に切り替える必要があると思います。各国の企業がサステナブルコットンに賛同すれば経済にも大きな影響を与え、中国も生産体制を不明瞭のままにはできないのでは。ただ、少数民族の同化政策という大問題が根本にあるので、そこは国際社会が粘り強く動くしかないのかなと思います。

第三者機関の管理（真打ち・栃木県・51）

繊維産業の安心と安全の確保には、監査や認証を担う第三者機関において、一定の条件を設ける必要があると私は思う。例えば、定期的に監査に関わる者を交代させ、癒着を生まない体制づくりに努めること等、誰が就いても同じ基準で精査される適正環境であって欲しい。 また、金銭で認証を得ようとする場合には罰則を設ける等、監査と認証が偽りない状態で消費者に届くよう心から願っている。

綿花の輪作を出来ないものか？（地球交響曲・大阪府・44）

一部の国に生産が集中するのは大きなリスクでもあるので、他国でも綿花栽培を他の食糧生産地の農閑期や連作予防の為に使えないものかと思いました。同一の作物を作り続けると土が弱り、それによって病虫害にも遭いやすくなり農薬料も増えるというのもあるでしょうから。あとは綿花の採集の際の機械採集が日本の技術で導入出来ないものか、出来たら新疆の人達の救いにもなるだろうし、他地域での生産にも道が開けやすいかなと思いました。

低賃金労働者依存の限界（DiamondBar・東京都・52）

綿花にしろコーヒーにしろ原材料を生産するところの労働は過酷です。アパレルでは原材料以外に加工する段階でも低賃金労働に依存しているように思います。中国から、ベトナム、バングラデシュ、アフリカとどんどん低賃金の加工先を求めて海外の縫製工場の委託先も変わってきています。これらの縫製工場での労働環境に問題はないのかも気になります。いずれこれらの国でも賃金が上昇し、低賃金での加工というビジネスが成立しなくなり、持続可能性には疑問を感じます。

価格に囚われない（パフィンドーナッツ・埼玉県・52）

持続可能であると思います。しかし、そのためにには安価な商品が一番という考えを改めるという事が必要だと思います。消費者が高くてもサステナブルな商品を購入する姿勢が問われるのではないでしょうか。

たくさんのご意見ありがとうございました。
 
YESのご意見では、ニライカナイさんからは、「人権問題だけではない」として環境負荷のない代替繊維の開発や第三者機関による認証も進めてほしいというコメントを頂きました。Walk714さんからは、トレーサビリティの確認が難しい、「輸出に制限を加える程度の経済制裁では効果がないのではないか」というご意見です。真打ちさんは、「監査と認証が偽りない状態で消費者に届くよう心から願っている」とコメントされています。また、地球交響曲さんからは、綿花の輪作、機械採取などにより、環境負荷低減、労働力軽減ができるのではないかとのコメントが寄せられています。
 
また、NOのご意見では、DiamondBarさんから「綿花にしろコーヒーにしろ原材料を生産するところの労働は過酷です。」として、賃金が上昇すればビジネスが成立しなくなり持続可能性に疑問を感じるとコメントを頂きました。またパフィンドーナッツさんは、消費者が高くてもサステナブルな商品を購入する姿勢が問われるとのご意見でした。
 
消費者は何を信頼すればよいのか、どう行動すればよいのか、それによって持続可能性に貢献できるのか、答えることができる人は少ないと思います。しかしひるねさんの「国際社会が粘り強く動く」コメントには勇気を頂きました。国連、ユニセフ、G20、そしてオリンピックでも、持続可能な社会と企業のあり方は、常に議論の中心となっています。
 
日本の法律では、サプライチェーンの環境負荷・人権問題について、企業に説明責任を義務付ける法律はありません。しかし、今年（2021年）６月に、日本証券取引所グループ（東京証券取引所、大阪取引所等）は、コーポレートガバナンス・コードの改訂を予定しています。この改訂案では、上場企業の取締役会に対し、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重などの課題に、積極的に取り組むことを求めています。また、上場会社は、経営戦略の開示に当たって、自社のサステナビリティについての取組みを適切に開示すべきであるとしています。証券取引所、機関投資家の関与により、企業の自主的努力で持続可能性を高めることを期待しているのです。
 
そこで皆様にお聞きします。
日本の企業は、環境・労働問題について、説明責任を果たしていると思いますか？　また、あなたは企業に対してどのようなことを望んでいますか。
最終日に向けて多くのご意見をお待ちしています。

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• 2021.06.09
• 佐藤 泉 弁護士、第一東京弁護士会環境委員