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会議番号:3643 開催期間 2021年06月04日- 06月11日
弁護士の佐藤泉です。昨年6月「レジ袋有料化。良い政策だと思いますか?」というタイトルで働く人の円卓会議議長をさせて頂きました。今回は、「衣料品へのウイグル綿の使用。買うときに気になりますか?」というテーマを取り上げさせて頂きます。 2021年3月に公表されたジェトロのレポートによれば、2019年の世界の綿花生産量8200万t、トップは中国で全体の28.5%です。以下、インドと米国が続き、この3か国で約8割を占めています。そして、中国綿の84%が新疆ウイグル自治区で生産されています。新疆は綿生産に適した気候風土であるだけではなく、品質がよいため世界的に高い評価を受けています。そのため、欧米及び日本の大手のアパレルメーカーは、新疆綿(ウイグル綿)を大量に調達しています。 しかし、2020年3月、オーストラリア戦略政策研究所が、新疆綿の農場で少数民族に強制労働を行っている疑いがあると発表しました。これを契機に、米国は新疆ウイグル自治区で生産された綿製品の輸入禁止措置を行い、さらにEU議会も民間企業に対し、調達などの点で同区との関係を見直すことを求めています。そして、今年の5月には、新疆綿を使用したユニクロのシャツが、アメリカへの輸入を差し止められたと報道されました。これに対し、ファーストリテイリング社(ユニクロ)は、同社の調達先には強制労働がないことを確認していると反論しています。 新疆綿は、品質がよく、生産量も安定しており、地域の経済と雇用を支えている主要産業です。そこには多くの民間企業があり、世界のアパレルメーカーと長い付き合いがあります。一方で、複数の人権団体は、中国政府の少数民族への対応に大きな問題があり、綿農場などにおいて低賃金で過酷な労働を強いられていると指摘しています。ウイグル人の多くはイスラム教徒であり、言語や音楽などで独特の文化を持っています。しかし、中国政府による同化政策がすすめられているというのです。 新疆綿の使用をやめることで、ウイグル人を助けることになるのでしょうか。しかし、何も考えずにウイグル綿を使い続けることが正しいのでしょうか。人権問題は一企業で解決できるものではなく、政治とも密接に絡んでいます。日本政府はどうすべきなのでしょうか。 「衣料品へのウイグル綿の使用。買うときに気になりますか?」にYES/NOで投票のうえ、みなさんの率直なご意見をお寄せください。
★佐藤議長の過去の円卓会議
・レジ袋有料化。良い政策だと思いますか?
★関連テーマのバックナンバー
・SDGsに取り組んでいますか?
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