働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3643 開催期間 2021年06月04日- 06月11日
たくさんのご意見を頂き有難うございました。 綿シャツはおしゃれで涼しい、これからの季節には必需品です。今年の夏用に新しいシャツを買いたいと思っている方も多いでしょう。そんな時期に、強制労働というブラックな話題が持ち上がり、衣料品メーカーも、消費者も戸惑っている状況ではないでしょうか。 今回、約6割の方が「Yes」、買うときに新疆綿の使用が気になる、という回答を頂きました。 Yesと回答された方のご意見のなかで、umikanonさんの「無印良品やユニクロの対応が気になる」「2社は説明の必要がある」というコメントがありました。また、えこりんさんからは「本当に強制労働がされているのかは調査が必要だと思う。」「政治的な面が強い印象が否めない」というご意見をいただきました。IZUMIさんからは「知ると購入できなくなるのが嫌であまり読み込まずにいました。」「思考停止だな・・・と反省しています。」という率直なコメントを頂いています。また、Akieさん、まみむめままさん、Jerrybさん、南海さんたちからは、気になってはいても、買わないことがウイグル人を助けることになるのか、逆に追い詰めることにならないのか、という懸念も寄せられています。 Noと回答されたご意見でも、強制労働の事実があるかどうかについては危惧されている内容がほとんどです。しのんぬさんは「持続可能かつエシカルな消費を心掛けたい」「今後は素材まで踏み込んで考えていきたい」とコメントされています。また、kyoko004さんからは「発展途上かつ中華圏で少数民族の難しい地域」「どうしたら助けられるのでしょうか」と、また雅映さんからは「やめることが助けることに直結はしない」「生産者の誇りを精査なしに奪ってはいけない」とのご意見を頂いています。 私も今回の新聞報道などを見て初めて、新疆が世界最大の綿生産地であることを知りました。それまでの新疆のイメージは、シルクロードで栄えた町、三蔵法師が砂漠を越えて経典を運んできたルートなど、エキゾチックで素朴なものでした。そんな新疆が、H&Mやナイキ、そして日本の大手アパレルなどのグローバル企業の重要なサプライチェーンに組み込まれているとは、なんという驚きでしょう。Yes、Noどちらの回答をされた方も、新疆で暮らす人たちを心配し、応援したい、けれども何が真実かは分からない、またどうやって助けたらよいか分からないというお気持ちが伝わってきます。単に、買う、買わないという選択だけでは何も変えることが出来ない、というご意見は重要だと思います。 そのなかで、アパレルメーカーに説明責任があるというumikanonさんのご意見はそのとおりだと思いました。 新疆だけの問題ではありません。世界の綿生産地では、環境問題及び労働問題について、十分な配慮が行われているのでしょうか。木綿の生地は、洋服だけではなく寝具やカーテンなど日常生活の隅々まで行きわたっています。そのナチュラルな風合いは、自然派志向の人々に愛されています。 しかし、綿の生産には大量の水が必要であり、さらに農薬・化学肥料などの大量使用が懸念されています。1枚のTシャツが出来上がるまでには、2,720リットルもの水が使われていると言われています。世界の水資源は危機に直面していますが、綿は小麦やトウモロコシなどの食料よりも、水リスクへの脅威になっています。 また、農薬については、世界の耕作地面積の約2.5%を占めるに過ぎない綿花の栽培面積で、世界の殺虫剤の16%が使用されています。これは、他のどの単一作物よりも多く、世界の農薬使用量の6%以上です。さらに、かつてアメリカ南部で奴隷制度に支えられていたように、綿花の採取には大量の労働力が必要になります。 消費者は環境破壊や強制労働に加担していると思っていないでしょう。しかし、情報はほとんど伝わってきません。調べることもできません。一体何を信じればよいのでしょうか。もちろん、世界のNGOや繊維産業はこの問題に気が付いています。そして、持続可能な形で生産された綿製品、いわゆる「サステナブル・コットン」を普及させようという動きが、世界に広まりつつあります。綿栽培だけではなく、染色、縫製の工程まで、環境側面や労働者に対する適切な配慮をしている綿製品を第三者が認証することにより、解決しようとしているのです。この認証制度は複数ありますが、自主的取組に留まっているため、残念ながらこの認証を受けた製品が主流とはなっていません。このような中、先月(2021年5月)日本サステナブル・コットン・イニシアチブが活動をスタートし、アパレルメーカー、小売、織物工場などに参加を呼び掛けています。 そこで皆さんにお聞きします。今の繊維産業は持続可能だと思いますか? また、どのような取り組みによって持続可能になるとお考えでしょうか。ご意見やアイデアをお寄せください。
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