イー・ウーマン（ewoman）

民意の反映（まりすけ・大阪府・38）

巨額の投資が必要な新規事業については、不要、必要について住民の意見が反映される仕組みがほしいと思います。もちろん私たちも長期的な目線でサービスの質を見ることのできる力は必要だと思いますが。

やろうと思えばやれることが判る（なんなんなん・神奈川県・46）

橋下さんほどではありませんが、前横浜市長の中田氏もかなりインパクトの強い、リーダーシップの強い市長でした。ごみの30%削減なんて、横浜のような大都市で出来るわけがないと言われていましたが(半ば笑われていましたが)、やり遂げたのも彼の強力なリーダーシップだと思います。

議長！　質問です。（ハルヒ・千葉県・34）

1日目にある「橋下さんのような」っていうのが、まずわかりません。彼のどこを評価するかによって、問いの意味するところも、こちらの答えも変わってきてしまうと思います。2日目の中でそこのところをはっきりさせてください。私は議長の問いはたぶん、こういうものだろうと思っているのですが、「『地方が自由に、自分たちに必要なことを考えて実行する』というリーダーシップを取れる人間への評価」なのか、どうか。よろしくお願いします。

正直どちらともいえない（tn40・熊本県・41）

熊本では、今少しずつ変化が起きていることを感じています。なので、その変化が推し進められるリーダーがさらに立ち上がるのであれば良いように思います。やたらと変革ばかりを訴えて、熱に浮かれた一時的な扇動を理想と勘違いしてリーダーを欲し、リーダー頼みになるのは良くないと思うのでNOにしました。

強いリーダーは欲しい（marco302・海外・その他・40）

リーダーシップの取れる政治家は地方にも必要だと思っています。自治を行っていくうえで、地方としてYES、NOがはっきり言える政治家は絶対に必要です。ただ、「橋下知事のような」という枕詞が付くとしたらNOです。最近の橋下さんを見ていると、大変残念なのですが、自己実現のために大阪を利用しているように見えてなりません。同じ強さでも、芯のある強さがあるリーダーが欲しいですね。

橋下さんはいらない（チャノリ・新潟県・36）

ディベート能力が優れている人よりも、ディスカッション能力が優れている首長が必要。橋下さんでは混乱をきたすだけなのでいらない。地方自治は地方だけが話をしても成り立たない。国と一体になって進めていかなくてはならない。

まずハルヒさんのご質問にお答えします。鋭いご指摘のように「橋下さんのような」という言葉には二重の意味があります。一つは、強いビジョンをもつリーダー（例えば大阪市を特別区に分割するという主張）、もう一つは人々の聞きたいことを煽るポピュリスト的な側面（例えば大阪市の職員への攻撃）、そのどちらを橋下さんに見るかによって、ハルヒさんが言われるように答えが変わると思います。そしてその見方は、一人一人違うのだと思います。今回、NOと答えられた人の投稿を見ていると、その後者の側面を強く感じておられるように思われます。
 
問題は、そもそも地方自治とは何か、ということでもあります。日本は明治維新以来、中央集権的な国家でした。藩の代わりに県が置かれ（廃藩置県）、県には中央が任命する県令が行政のトップとして派遣されました。県知事が公選制になったのは第二次大戦後のことです。しかし公選制になっても中央のコントロールは維持されました。主に予算で縛られていたということができます。
 
中央から配分されるカネを減らして、地方の自主財源を増やす（たとえば消費税5％のうち1％は地方分ですが、その割合を上げるなど）ということが主張されています。あるいは中央からくるカネの使い道を中央が指定せず地方の裁量で決めるというのもそうです（一括交付金）。
 
そうすると問題は、住民であるわれわれは自分の地域をどうしたいのか、という最も基本的な問いかけに答えなければならないということです。それこそ保育園の待機児童や（私の住む横浜市はワーストと評されていました）、医療・介護の在り方もそうです。実際にこうしたことを行うのは地方自治体ですから、本来的に言えば、住民がサービスの質を決められるはずなのです。
 
ところが、実際には地方自治体の選挙は国政選挙よりも投票率が低いことが多く、住民は何を基準に政治家を選ぶのかよくわかっていないことも少なくないのです。そうなるとまさに「橋下さんのような」住民の関心をかき立てる人が登場してくるのを待望せざるをえないのかもしれません。
 
さて皆さんにお尋ねします。もしあなたが地方自治体の首長にアドバイスできる立場であれば、何を彼、または彼女に進言しますか。ご自分の住まれている地域を念頭に置いて考えてみてください。

• 2011.12.14
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹