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会議番号:3779 開催期間 2025年07月04日- 08月29日
日米の「関税交渉」が合意され、日本からの輸出品税率は、自動車を含め15%で決着しました。アメリカが掲げていた25%に比べれば、安くなったものの、一方的に関税を引き上げる米国の振る舞いは理不尽そのものです。 トランプ大統領の手法は、高い関税をふっかけ「イヤなら言うことを聞け」とアメリカに有利な政策を引き出すことです。 日本はコメなど農産物の買い入れ拡大や80兆円もの対米投資を約束しました。 項目の1つに「防衛装備品を毎年、数十億ドル追加発注する」が盛り込まれています。「関税交渉には防衛費負担増は入っていない」と政府は説明して来ましたが、やはりちゃんと入っていたーー。 アメリカからの要求は、さまざまなチャンネルを通じて来ています。関税交渉と並行して日米外務・防衛相会合(通称2+2会合)という定期協議の場があります。7月1日にワシントンで開かれる予定でしたが、突然、中止になりました。 「米国は日本の防衛費をGDPの3.5%に引き上げることを議題にする、と事前に伝えたため、日本は会合を延期するよう申し出た」と英国のファイナンシャルタイムスがすっぱ抜きました。 トランプは日本にも「NATO並みの防衛負担」を求めていることが明らかになり、石破首相は困惑したと思います。参議院選挙の直前です。「防衛予算の拡大」をまた米国に求められるのは都合が悪い、そこで選挙後に先送りした、ということのようです。 選挙が終わり「関税交渉」は決着しました。しかし日本側の発表には「防衛装備品の追加発注」は伏せられていました。米国では「交渉の成果」としてホワイトハウスが発表しました。 アメリカは、NATOに圧力をかけ「防衛費GDP5%」を約束させました。「次は日本」と考えておかしくはない。米国が最大のライバルと考える中国との最前線にいるのが日本で、米軍基地は沖縄から北海道まであり,重要性は増しています。 アメリカの都合は分かりますが、日本はそれでいいのか。有権者が真剣に考える問題です。仮にGDP3.5%が実現したら、消費税のほとんどが防衛費にのみ込まれる。社会保障支出を維持するには増税や国債増発が不可避になりかねない。財政が国民のために必要な政策は他にいろいろあるというのに、防衛費だけをなぜ突出して伸ばさなければいけないのか。 関税は決着しましたが、米国が自国の負担を軽くするため、友好国にまで負担増を求めることは、これからもつづくでしょう。 日本政府が「防衛費増額の要請」を、あえて参議院選後に「先送り」したのはなぜでしょう? 「国民に知らせると面倒なことになる」との思いが政権にあったのではないでしょうか? 「防衛予算をどれだけにするかは、自国で決めること」と石破首相はくりかえしています。自国の「誰」が決めるのか。そこに、あなたや私は入っているのか。 まずは「交渉で何を約束したのか」情報公開をきちんと行なってもらいたいと思います。みなさん、いかがでしょうか? いぬいるかさんは「兵器の調達については、誰がどんな判断基準で決めているのか、金額も含め、知りたい、知る必要がある」と書いています。 平和国家でやってきた日本では、「兵器の必要性」や「誰がどんな判断基準で決めるのか」が、はっきりしません。 問い掛けたいことは、まだたくさんありますが、今回は、ここまでにしておきます。 この1ヶ月、「防衛費」「対日圧力」という非日常的な問題にお付き合い頂き、ありがとうございます。 「聞きたい意見だけ聞く」という風潮が強まる中、円卓会議は「熟議の場」として貴重なネット空間だと感じています。 またお会いしましょう。★山田議長の過去の円卓会議より・トランプ大統領の再登場は、日米関係を好転させると思いますか?・政治倫理審査会、成果が出ると思いますか?・「戦う覚悟」必要と思いますか?
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