働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3049 開催期間 2010年09月25日- 10月05日
俳優の仕事は、もちろん「自分以外の誰かに」になること。「演じる」というよりも「なる」。 ある女優さんのお話。殺される役をやっていて監督に「全然だめだ。死んだこと無いのか!」って怒鳴られたとか。僕も「死んだこと」ないし「殺人」も体験してない。プレイバックシアターでは女性の役もふられます。出産シーンなんてどうしたらいいんでしょう? (何度かやりました) 演技には「計算」も大事ですが、その役に「飛び込む」ことも必要。頭で考えることと身体で感じること。その両方が必要。稽古場でも短い作戦会議の後、いきなり舞台に立って「飛び込む」稽古をします。人を殺したことはなくても「殺したい」と思うくらい憎んだ体験はあるかも。その自分の気持ちから出発し、役の気持ちを想像すると同時に「体験」します。その瞬間、手に何も持っていなくても僕には刀が見える。刺した手応えも感じています。 ありるさんの言う通り、人間は関係性の中で生きています。その関係の中で自分がどうありたいのか、を演じている。ゆうあんどみいこさん、寺山修司さんの台詞に「人は誰でも自分の黒衣(くろご)」というのがあります。内なる自分が外側の自分を動かしている。 aibonさん、僕もその通りだと思います。「俳優」または「演劇」を体験することはもっと広い範囲での人間教育になると信じています。(ロールプレイとは異なります)他の人の役を演じることで他人の気持ちを思いやる、といったことから、意識のスピードを上げていく体験まで。すでにプレイバックシアターを新人研修に取り入れている企業もいくつかあります。頭で考えるだけでなく身体で感じる(これを「身体で考える」と表現する人もいます)大切さをもっと見直してほしい。今の日本に欠けているものの一つだと思います。 義務教育で音楽や美術に触れた子どもが全員芸術家になるわけではありません。日本でもたくさんの他の国のように学校教育に「演劇」を(技芸ではなく)取り入れたら素晴らしいのになあ、といつも思っています。 1週間、ありがとうございました。
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