イー・ウーマン（ewoman）

人間みな俳優（大和こころ・東京都・44）

人生を演劇に例えたり、人生の主人公は自分などと言われます。本当にその通り！と思います。若いころから、「人生とは？」「自分とは？」を突き詰めた時に、演劇と結びついたことを覚えています。丹下先生のおっしゃる「誰でも俳優になることができます」に、私はとても共感します。そしてその人が「素敵に存在できるようにアレンジするお仕事！なんて素敵！私は、このように人間が人間らしく存在出来るような「人間づくり」がこれからの時代になくてはならないと思っています。

人前で話す（dokinchn・東京都・47）

最近、人前で話す機会が増えてきました。あがり症なので、人前でもきちんと伝えたいことが伝わるようになりたいと思っています。演劇とかでの自己表現方法を教わりたいと思います。

知りたいです！！！（ぱーと救急医・千葉県・37）

　実は中学高校と演劇部でした！医者になった時、平静に厳しいことを言うために！　それは冗談ですが、自分の気持ちを押し隠して、患者さんやご家族と話をしなければならないこともたくさんありますので、今はあのときの経験が生きているなぁ、と思っております。 　今は純粋に、演劇って面白いよなーと思うので、素直に、知りたいです！

人生に生かしたいから（kimirie・兵庫県・40）

俳優になりたいとか演劇をしたいということではなく、人生を豊にするために、知りたいと思っています。丁度、今、書道の作品作りをしていて、思うように筆運びが出来ず、そんな時、友だちに努力が足りないと言われ、仕事の写真と言い、やっぱり、感性を磨き、表現力を高める必要があると感じるからです。人生を演じるように生きていければ、日々精進にも繋がらないかよ……、って、それ自体が甘いのかもしれません。でも、夢に向かいいつまでも明かる笑顔で歩き続けたいです。

大和こころさん、そうなんです。人間みな俳優。「演じる」ということよりも「自分自身を表現する」という面で。
僕が演出する時に一番大事にしていることは「演劇に１００点満点はありえない」ということ。たとえば自動車工場のロボットは「完璧／100 点満点」が基本。自動販売機や様々な機械も。でないと困ります。そして人間は完璧でないところが素晴らしい。それは「手を抜く」ことではありません。
 
dokinchnさん、僕も人前で話すことがものすごく苦手でした。人前どころか他人と話すことも。「丁寧にシンプルに、少しずつ」と思えるようになるまで時間がかかりました。
 
市民劇の稽古の最初に必ず「頑張らないで下さい」または「無理をしないで下さい」とお願いします。「エクササイズがあなたにとってきつかったらしなくていいです」とも。無理を重ねることで自分の限界を超えることができたとしても、舞台の上で演じている時に苦しい記憶が重なって来てしまうことがあります。
そして、僕にとってまず劇を上演するグループの状態が良いことがなによりも大事。問題や葛藤を抱えたグループはそれが舞台に現れます。観客はそれを理解しなくても必ず感じとります。
なので20名くらいの少人数のグループでしたら毎回全員に短いインタビューをして、その結果で（無意識の部分も感じとって）ストレッチやエクササイズのメニューを微妙に調整します。
 
ぱーと救急医さん、kimirieさん、演劇は人間の可能性を探り、深め、自分では気がつかなかった新しい自分と出会うための手法でもあります。そのアプローチには、大きく分けて「身体」からと「心」からの2つがあります。
そして例えばオリンピック選手のように身体を鍛えることで俳優になれるかと問われれば、もちろん可能性はあります。そしてそんな風に鍛えなくてもなれます。
では、俳優は他の人と何が違うのだと思いますか？　俳優にできて（俳優ではない）あなたが自分にはできないと思っていることを教えていただけませんか？
 

• 2010.09.28
• 丹下　一 俳優・演出家　コミュニケーショントレーナー Tama+ project代表