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会議番号:3122 開催期間 2011年10月10日- 10月17日
・所有する愛がもたらす「愛の死」 恋愛の苦しみは愛されたい気持ちから来るものです。たとえ恋愛が成立したとしても、相手の愛を所有・独占したいという欲求が生まれると恋愛の苦しみが訪れます。愛したい気持ちから、嫉妬の気持ちやそれによる苦しみが生まれることはない。愛されたいそして自分だけを愛してほしいという気持ちが、全ての苦しみを生む源泉となるわけです。 「愛すること自体に意味を見いだす愛」と「所有・独占したい愛」は異なります。通常、前者が先に来て後者が後から追いかけて来ます。最初は愛の気持ちをもたらしてくれた相手や、そういう状況を作り出してくれた神様に感謝の気持ちでいっぱいだったものが、所有を経験した人間が常にそうであるように、愛を確認した後は段々と欲望は贅沢になっていきます。 つまり、恋する者は相手の自分への気持ちを確認するまでは、自分の愛の気持ちを相手に認識してもらうことに集中します。この時点でまだ相手は自分のものではないため、嫉妬の気持ちはそれほど激しいものではない。ところが自身の愛が相手に認識され、さらに相手が自分に好意を寄せ、その結果二人の愛を確認し合うようになった以降は、愛されることは次第に当たり前になっていき、自分は相手の愛を手に入れたと思い込むものです。 「相手を手に入れたいと思う段階」から「手に入れた相手を如何に逃がさず所有し続けるかという段階」に移行するにつれて、嫉妬の感情は激しくなる。なにしろ二人は愛によって融解・液体化し一つの固体を形成するようになり、相思相愛をも超え一心同体になった と思い込んでいるのだから仕方がない面があります。そういう自身の分身としての相手が自分ではない存在に関心や愛情を寄せることは、当の本人には「愛の死」を意味するわけで到底受け入れられるものではありません。 ・愛は瞬間毎に更新する 恋愛関係における愛する気持ちというのは、同じ気持ちが継続的に維持されるのではなく、愛する気持ちが瞬間毎に更新されるというイメージを持つ必要があります。それを明示的に認識しないと、愛というものに対しそして愛を生む恋愛関係というものに対し、新鮮さを感じなくなるものです。 瞬間瞬間の選択の結果としての恋愛関係の持続は人間に刺激や喜びを与えますが、選択ではなく義務・所与としての恋愛関係の成立や維持は人間に退屈や苦しみを与えます。何十年間に渡って恋愛関係を続けても、日々新鮮な恋愛感情が更新されるのであれば、その愛は永遠に最高の状態を更新しながら続いていくでしょう。 過去に憧れ未来を夢見るのではなく、今この瞬間に対する最大の感受性を持ちながら、自由意志を持つ存在としての相手を愛することこそが我々に必要なのだと思います。 一週間、ありがとうございました。
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