働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3095 開催期間 2011年05月23日- 05月30日
投票ではYesが約4割とあまり高くない結果となりましたが、みなさんのコメントからは、生活空間の幅広い捉え方、それぞれの空間に対する工夫や改善という働きかけ、その結果得られる効果という関係が浮かびあがってきたと思います。 私は、空間をあつかう仕事に就いた当初、「空間デザインとは、美しさ・機能性の高さ・快適さを、発注者のご希望に即して、ハードあるいは環境として提供することだ」と考えていました。 もちろん、この考えは間違ってはいないのですが、仕事として建築と都市を考えつつ、一人の都市生活者として家族とのさまざまな時間を過ごすに従って、次第にとらえ方が変わっていきました。 空間にはさまざまなレベルや大きさなどがあり、それぞれが人の暮らし・気持ち・身体に影響をおよぼす。そして、一見できあがってしまっているようにみえる空間を、利用するという働きかけや、利用の仕方を考えるプロセスそのものもデザインの一つの側面である。そう考えるようになったのです。 herb teaさんの「そんな事を思案している時間も心地よく」からは、まさにこの「考えるプロセス」の大切さがわかります。ハイジュさんのように「これから」の方も、ときどきでも身の回りの「空間」に意識をめぐらせてみてください。 また、みつやさんのように、こうしたら気持ちが満たされるかもしれないと思われることがある場合、ぜひ、具体的に何かを動かしてみてください。最初から完成形をイメージするのではなく、少しずつ実際のモノ、空間を動かしながら発想を重ねてみてください。あなたの働きかけによって、空間からの作用が必ず感じられると思います。答えは一つではないし、次のアイディアが生まれてくるかもしれません。 ところで、marco302さんがおっしゃるように、furnishedの住空間そのものには工夫ができないかもしれませんが、ひとまわり大きく「まち」「都市」というレベルで生活空間をとらえてみた場合、どうなるでしょうか。 私たちはみんな、都会と地方という差はあっても、「まち」「都市」の中で様々なインフラや施設、機能を使って暮らしています。都市のなかでどういう場所を自身の生活空間として「選択」して利用しているのかと考えてみると、「働きかけ」の別の側面がみえてくるかもしれません。 たつやさんのご意見には、この「選択」という概念、さらには「生活空間デザイン」の意味としてとても重要な「参加」ということが含まれていると思います。 たとえば、電車利用で時差出勤を推進しようという首都圏での試みがあります。これは通勤経路という都市のインフラをみんなで上手に利用することで、互いに快適に過ごせるようにしようとする取り組み、すなわちみなさんが「参加」してよりよい生活空間をつくっていこう、ということだといえます。そこにある都市の機能を利用するだけでなく「参加する」と考えると、生活空間への視点がひろがっていくのではないでしょうか。 大変長くなってしまいました。私自身、こうしたことがらに対してまだまだ研究中の身なのですが、今回みなさんとご議論させていただいて、改めて一生活者としての視線を大切に活動していきたいと思いました。一週間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。★6/7火曜ランチ講座に國分議長が登場!「東京でどう住む、暮らす?」都市と自分の居場所について、ご一緒に考えてみませんか。
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