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会議番号:3785 開催期間 2025年11月07日- 12月26日
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皆様、今回もたくさんのご意見、そして具体的なご質問をいただき、ありがとうございました。 「生前贈与の注意点を知っている(YES)」と回答された方が、会議2日目では21%とかなり少数だったことからも、多くの方が具体的な知識を求めていることが分かります。 前回は、「生前贈与をする側、される側の立場でのメリットや気をつけたい点」に加え、「ぜひ聞いてみたいこと」について投げかけました。その結果、「負債」や「未成年・孫、海外在住者への贈与」といった、具体的なケースに関するご質問が多く寄せられました。皆様から寄せられた質問に、可能な限りお答えしていきたいと思います。 まず、DiamondBarさん、blueberry53さん、もろりんさんからのご質問にあった、孫や未成年の子への贈与は可能です。贈与とは無償でモノや金銭をあげる行為ですから、産まれたばかりの赤ちゃんにだってできます。 ただし、贈与は「あげる人」と「もらう人」の合意が必要です。ですから、もろりんさんのご質問のように、親が未成年の子ども名義の口座に少しずつ貯めていって、成人した時に通帳を渡すという行為は、もらう側が通帳を渡されてはじめて「もらった」ことになります。仮に、毎年110万円の非課税枠内で貯めていた通帳の残高が1,000万円になっていて、それを成人した時に渡すと、1,000万円が一括で贈与されたとみなされ、この場合は177万円もの贈与税が課される可能性があります。 そうならないためには、ちゃんと贈与を成立させる必要があります。 具体的には、未成年の子どもでも本人に口座を管理させる認識を持たせること。 例えばお年玉を一緒に入金したり、必要な時には親権者と一緒に引き出したり、本人の関与を明確にしておけば大丈夫です。 ただし、幼児で口座の管理ができない場合は、親権者が子どもに代わって口座を管理することになりますが、その場合も「合意」の証拠としての書面を残すことが重要です。 次に、娘さんがアメリカに住み、国籍も変えられたというTosukuさん。海外在住者への贈与は、「誰が」「どこに住んでいるか」によって適用される税制が大きく変わるため、特に注意が必要です。 日本の税制では、娘さんが非居住者であっても、贈与者であるTosukuさんが日本国内に住所がある場合、原則として日本の贈与税が課税されます。アメリカの税制との兼ね合いもありますので、詳細は国際税務に詳しい専門家に相談してください。 また、佐々木かをり社長からのご要望「負債」についての論点も非常に重要です。ローンが残っている不動産を贈与する場合は、特に注意が必要です。 住宅ローンが残っている不動産を贈与するには、通常、金融機関の承諾が必要です。 不動産を贈与しても原則債務者(ローンを組んだ人)は変わりません。ローンと一緒に不動産を贈与する場合は、不動産の評価方法が変わることで高額な贈与税がかかることもありますし、そもそも不動産をいくらと評価するのは難しいので、不動産を贈与する場合は税理士に相談してください。 さらに、保証人としての地位は贈与では移転しませんが、相続では保証債務は原則として相続人に引き継がれます。これは家族にとって大きな問題ですので、保証人になっているような場合は、ご本人が元気なうちに保証契約の解除や、別の保証人への変更を金融機関と交渉することが重要です。 そして、おがわさんやシンゴパパさんが指摘された「対話」と「書面」も大切です。 生前贈与は、家族を思って行う行為ですから、贈与の意図や公平性について、思いをしっかり伝えあうことで、無用なトラブルを防ぐことができ、その効果は倍増するはずです。 さて、次回はいよいよ最終回です。今回は贈与をする側、親の立場としてのご意見がほとんどでしたが、最終回は視点を変えて、もし自分が生前贈与を受ける側になった場合、どんな気持ちがするか、などについて考えていただきたいと思います。 そこで皆様にお尋ねします。あなたが生前贈与を受ける立場になったとしたら、どのような形、例えば金額、タイミング、使い道などで受け取るのが最も嬉しく、また、相手に対して感謝の気持ちを持てるでしょうか? また、ぜひ聞いておきたいことも、引き続きお寄せください。 贈与の注意点については、今回触れられなかった重要な論点である「相続時精算課税制度」と、「暦年贈与の改正、具体的には相続開始前3年が7年へと加算期間が延長されること」という、最新の税制改正の論点についてもご説明したいと思います。 みなさんのご意見をお待ちしています。どうぞよろしくお願いします。★板倉議長のバックナンバー・おひとりさまを楽しむお金。準備していますか?・相続について、家族で話し合っていますか?・人生後半を楽しむお金。準備していますか?<運営事務局より>・11月28日(金)まで全4回、毎週金曜に議長コメントを更新します。それを受けた投稿を、水曜朝までを目処にお送りください。・投稿は、お一人お一人の視点や体験を言葉にしていただく、大変貴重なシェアリングです。自分を主語としたI statement で書いてください。掲載する投稿は、「私は」を主語に変更させていただく場合もありますのでご了承ください。・引用がある場合は、必ず引用元を明記してください。・議長からの各日の投げかけ(赤字部分)に答えた内容で投稿してください。
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