イー・ウーマン（ewoman）

キャリア教育の一環として（Toy・福岡県・34）

高校や大学のカリキュラムに精通しているわけではないのですが、最近はキャリア教育が充実しつつあると聞きます。女性はもちろんですが、男性にとってもパートナーのキャリアを共に考えるため、キャリア教育の中に、不妊治療も含め出産や子育てについて考える時間があるといいのではないかと思いました。

若者に届くように（Jerryb・東京都・54）

「馬を水飲み場に連れて行くことはできても、馬に水を飲ませることはできない」というイギリスのことわざがあります。テクノロジーができるのは、水飲み場を作ること。実際に使われるには、第二次性徴を迎えるあたりから男女ともにまずは自分の体について知ろうとすることを、学校で教えなければならないのではないかと、米国の進んだ現状を見て思いました。

フェムテックステーション（いぬいるか・東京都・61）

月経、妊娠、出産、育児、不妊治療、更年期など、女性のライフステージすべてカバーする情報、専門家によるサービス、治療などにアクセスできる「フェムテックステーション」が身近な場にあるといい。たとえば、ターミナル駅やショッピングセンター、コミュニティホールなど、家族で気軽に立ち寄れる場所が理想。そして女性に限らず 男性もLGBTQも、多様な性を包摂できるプログラムや場づくりが不可欠だと思う。

若年世代への支援を（Futachan・兵庫県・60）

先日、兵庫県明石市が来月から生活困窮者に生理用品の無償提供を開始することがニュースになっていました。不妊治療だけでなく、若年世代も含めて幅広く女性の健康を支援する取り組みが必要だと思います。生理や妊活、更年期の悩みを含む女性の健康について、悩みごとをオープンに相談できる環境の整備と、必要な支援へのアクセスが確保されることを望みます。

特別講義と認定（JIMA・神奈川県・45）

テクノロジーの力を借りて各人が楽になるメリットを社会全体で理解することが必要と考えます。まずは知ることが大切であるため、男女問わず、学校や企業で、専門家による特別講義を定期的に取り入れること。講義の際の質疑応答をフィードバックすることで、全体レベルが向上するでしょう。教育と制度を導入した企業に、女性が働きやすい企業として認定（ダイバーシティインデックス？）や補助金を出す形にすれば、広がりやすくなるのではと考えます。

自分の体と向き合うこと（DiamondBar・東京都・52）

不妊治療のスタートは、自分の体調を知り、規則的な生活で体のサイクルを一定に保つことからだと思う。まずは自分の体に関心を持って向き合うことの重要性を多くの人に知ってほしい。企業で行う健康診断に加えて、日々の体重や体温の変化に関心を持つことの大切さを研修などで伝えてみてはどうだろうか。不妊治療に関係なく、日々のデータを確認することで、自分の体調の変化を知り、健康になる人が増えるのではないかと思う。

学びになる前に（真打ち・栃木県・51）

私は、女性の健康に関する話題を家庭の日常会話に盛り込む習慣で、学校や企業で抵抗なく意見(体験談)が交わせる人に育って行くと思う。無関心や恥ずかしさが進展の妨げにならないよう、幼少からの意識の育成は大切ではないか。又、男児しかいない家庭では、トイレに汚物入れを置かない事もあるかも知れないが、毎日見ている汚物入れの意味をやがて理解する入口としては、無言の教材になっているように思う。

性教育から（地球交響曲・大阪府・43）

不妊治療をする人が増えている中で、根本的なところとしての教育を先ず学校で海外の性教育を例に年代別で理解を深めてもらい、そこから家庭でも情報共有したりして国内の性についての知識を高めると同時に、育児休業と再雇用をし易いように期間限定のバックアップ要員を確保、施設としても２日目と３日目に出ていたようなクリニックを主要都市に設置するとかなり違って来るのではないかなと思いました。

まずは医療学会で診療科名の改善（marco302・海外・その他・49）

フェムテックが進んでも治療が進んでも最終的に医療現場で診察を受ける必要があり、その時にネックとなるのが診療科名。日本の総合病院では「産婦人科」しかないところが多く、不妊治療も妊婦と赤ちゃんと同じ診察室で行わなければならず、更年期の精神的問題も「心療内科」や「精神科」を案内されることも多くその精神的苦痛は大きい。婦人科という名称もあるが、もう少し足を踏み入れやすく相談しやすい名前であると診察を受ける側も安心できる。

「日本で女性の健康課題を解決するために、どのような場で、どういった議論が進むと良いか」という問いに対し、沢山のメッセージを頂き有難うございました。
 
　どのような場でという点に関しては、教育、企業の研修の場を中心に専門家の正しい知識を普及させ、家庭など日常会話でも自然と議論できるようにすることが理想的という意見が多く寄せられました。
 
Toyさんは「高校や大学のキャリア教育の一環として」、Jerrybさん、地球交響曲さんも教育現場で自分の身体について知る機会が必要というご意見でした。加えて、DiamondBarさん、JIMAさんからは、企業の検診に加えて研修を設けることの重要性に関してコメントをいただきました。
 
経済産業省が平成31年に公表した「健康経営を推進する企業の今後の関心」に関する調査結果では、40〜50代男性のメタボ、健康意識対策という項目(49％)を抜いて、女性特有の健康問題対策(56％)に最も高い関心があるという結果が出ています。女性の性特有の健康問題に対する取り組みを、健康経営銘柄や健康経営優良法人の基準等において明確化し、良い事例を発信していく方針が示されています。日本でもフェムテックに関するサービスが注目され始めていることを受け、こうした流れが加速することが期待されます。

 
 
出典：経済産業省
 
　アメリカに目を向けると、医療保険体制が異なるので単純に比較はできませんが、フェムテックスタートアップが提供するサービスの支払い手は、個人、医療提供者、企業、保険者の順になっています。日本でも、新たな解決策を届けるスタートアップが、医学的エビデンス構築も行った適切なサービスを普及させることができるよう、支援体制が必要だと考えています。
 
出典：RockHealth
 
いぬいるかさんからは、「女性のライフステージすべてカバーする情報、専門家によるサービス、治療などにアクセスできる「フェムテックステーション」が、家族で立ち寄れる駅やショッピングセンターのような身近な場所にあると良い」というコメントをいただきました。Futachanさんからも、「女性の健康について、悩みごとをオープンに相談できる環境の整備と、必要な支援へのアクセスが確保されることを望む」という意見がありました。
 
これまでアメリカを中心に海外のフェムテック、不妊治療等の事例をお伝えしてきましたが、日本でも女性の健康をテクノロジーで解決するムーブメントが起きています。「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」というビジョンを掲げ、フェムテック製品を扱う実店舗に加えポップアップストアやECサイト運営等を行うFermataというスタートアップを始めとし、フェムテックスタートアップが次々と新たな解決策を提供しています。
 
最近では、フェムテックの振興を目指す自民党の議員連盟が関連製品の普及に向けた提言をまとめるなど、日本政府も動き出しています。政府、企業、社会、私たち一人一人が、女性の健康の課題そして解決策を唱え、これまで声が吸い上げられなかったマイノリティーの人にも耳、心を傾け、ダイバーシティーインクルージョンの動きを高めていきたいと思います。


★竹之下議長の過去の円卓会議
・「フェムテック」って知ってますか？
 
★関連するテーマ
・オンライン診療スタート。使いますか？
・相談できる婦人科医、いますか？

• 2021.03.19
• 竹之下千尋 一般社団法人国際ヘルステック協会代表理事・Healthtech Women Japan代表/一般社団法人ヘルス・アンド・ウェルビーイング・アライアンス理事・Womb Business Incubator Co-founder/日本臓器製薬株式会社海外事業本部企画部部長