イー・ウーマン（ewoman）

時間面での解決策（JIMA・神奈川県・45）

不妊治療で大きな問題は、費用と時間と考えます。費用面については健康保険適用により解決するはず。通院が急に決まり、頻繁であることの解決策があるのならば知りたいです。共働き世帯が半数を超える中、治療と仕事の両立が困難であり、いずれかを断念せざるを得ない現状もあるので。

女性の生理現象を知るところから（ranran_mk・群馬県・40）

男性です。女性の健康のための技術、妊娠、不妊治療のための技術というのは非常に重要視しているため、興味があります。ただ、性や生理現象については、特に日本は語るどころか学ぶ事もタブー視され、男性の私はもちろん全く理解できておらず、女性も正しい知識が充分あるとは言い切れないだろうと思います。人材の健康維持の知識として誰もが正しい知識を学び、その上で妊娠、不妊の課題を理解して技術を活かす。そんな社会を望んでおり、米国がどのように進んでいるか知りたいです。

投資、開発に期待したい（ぺり・福岡県・39）

高校生の頃、体育の教師が「生理は病気ではないから授業の欠席は認めない」ということを言う人でした。女性の体育教師だったのですが、今思えば生理痛などは人によって感じ方が違うので、なかなかつらさがわかってもらえなかったのです。ストレスによる生理不順も経験したのですが、当時誰に相談してよいかもわからず、しばらくして母が気が付きやっと病院へ行くというような状況でした。女性の健康について投資、開発が進むことに期待はあります。

生殖補助医療に携わっています（まうやん・東京都・49）

私は体外受精などを司る職についています。生殖補助医療胚培養士です。当然興味がありますし、前回も答えたと思いますが、学会などでは話題になることもあります。ただ、日本の不妊治療（生殖補助医療）と欧米のそれとは、対象となる年齢層や身体的特徴、場合によっては病態も違いますので、日本独自のものが広まっていくと良いなと思っています。個人としては……団塊ジュニア世代の私たちには届かなかった内容で、私を含め周囲には子どもを諦めた人がたくさん。しょうがないことですが残念ですね。

男性不妊も併せて（地球交響曲・大阪府・43）

女性側の不妊への投資が高まっているのと同時に、男性の不妊の原因も高くなってきているのを不妊関連の記事やＴＶを通して観る事が増えている。女性側だけでなく同時に双方の原因を探り、対応した技術で妊娠率を上げたりすることはどの程度出来ているのかと、先進国ほど出生率が低いという現状があるので思いました。

心身の負担（unagi・東京都・60）

もう20年前になってしまいますが、婦人病で治療中の妻が不妊治療を受けました。心身ともに思った以上に負担が大きく、話し合った結果、治療継続は断念しました。私自身は子どものいない人生となったことに後悔はなく、二人で楽しく過ごしていますが、技術の進歩によって負担が軽くなるのであれば、ぜひ次世代のために発展してほしいと考えます。

不妊治療で終わってほしくない。（marco302・海外・その他・49）

フェムテックという言葉を初めて知りました。晩婚の知人が多く、その誰もが不妊で相当な精神的ダメージを負っていた。しかし、子どもを望まずに生きてきた私にはあまり親近感がわくものではなく、それよりも女性であれば誰もが乗り越えなければならない更年期にも技術の進歩が必要。経験・知識ともに実力を発揮できる40-50代が、このためにキャリアを捨てていることも現実。誰もが通り過ぎる道であるが故、注目度が低いのが残念でならない。

　皆さま、ご自身の経験のシェアや沢山のご意見を有難うございました。
 
　生殖補助医療胚培養士のまうやんさんからは、「日本独自のものが広まっていくと良いなと思っています」というご意見を頂きました。まさに、国や地域、社会毎に、人種による身体的特徴の違いや、医療保険制度の違い、宗教・文化背景・価値観の違いなどがあるため、日本独自、そして個々人にあった健康課題の解決策を見出す必要があります。日本、個々人にあった解決策を選択できるように、求められているニーズについて皆様と議論を深めたいと思います。
 
JIMAさんからは、「通院が急に決まり、頻繁であることの解決策があるのならば知りたい」というコメントを頂きました。アメリカの事例では、企業の福利厚生として生殖医療を提供するProgyny(プロジニー)という企業があり、Google、Microsoft、Amazon等130社以上の企業に導入しています。Progynyは不妊治療専門クリニックと提携し、専門コンセルジュが体外受精や卵子凍結保存などの生殖医療を必要とする従業員に、処置、治療、アドバイスを予定に合わせて提供しています。
 
　ranran_mkさんからは、「誰もが正しい知識を学び、その上で妊娠、不妊の課題を理解して技術を活かす。そんな社会を望んでおり、米国がどのように進んでいるか知りたい」というご意見をいただきました。アメリカのサービス事例としては、FertilityIQという正しい生殖医療に関する情報を分かりやすい動画等で提供し、専門医を探すことのできるプラットフォームがあります。



また、Kindbodyという不妊治療を中心としたクリニックでは、独自に開発したオンラインサービスで予約、治療方針説明、服薬指導、診療などを受けることができ、オシャレな移動式バスなどを用いて、働く女性の多い場所でパーティーを開催して治療説明会を行い、気軽に情報にアクセスできるよう工夫しています。



NOのmarco302さんからは、「不妊治療で終わらず、更年期にも技術の進歩が必要」というご意見を頂きました。前回の円卓会議で、欧米のスタートアップでは月経管理から閉経まで幅広い領域をカバーしているとお伝えしたように、現状「妊娠・不妊・出産」分野は最も投資が集まりスタートアップの数も多いですが、marco302さんのご意見にあるとおり、更年期の課題をオンライン診療や同じ悩みを持つ人と共有できるコミュニティーを提供することで解決するGennevという企業もあります。

　みなさんは、月経、妊娠、出産、職場復帰、育児そして更年期など、どのようなお困りがフェムテック市場の盛り上がりと共に解決されると良いと思いますか。個人、家庭、企業、政府などあらゆる目線・立場からご意見お聞かせください！


★竹之下議長の過去の円卓会議
・「フェムテック」って知ってますか？
 
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• 2021.03.15
• 竹之下千尋 一般社団法人国際ヘルステック協会代表理事・Healthtech Women Japan代表/一般社団法人ヘルス・アンド・ウェルビーイング・アライアンス理事・Womb Business Incubator Co-founder/日本臓器製薬株式会社海外事業本部企画部部長