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会議番号:3586 開催期間 2020年03月20日- 03月27日
たくさんの投稿や活発な意見の交換をありがとうございました。 4日間を通じた「動脈硬化、チェックしたことありますか?」の答えは、最終的にYes27%、No73%でした。 動脈硬化は進行しても、心筋梗塞や狭心症、動脈瘤などの病気になるまでは何も症状はありません。また、心血管疾患には発症率や病態、社会的背景を含む臨床像、またライフステージにより性差があります。女性は家庭や仕事に忙しいためか、医療機関を受診することが少なく、疾患が進行してから受診することもしばしばです。 また、女性の一生には月経、妊娠、出産、閉経というイベントがあり、男女一律に様々な疾患の原因や治療をとらえるべきではないと考えられるようになりました。その重要性を考慮した性差医学(gender-specific medicine)は1980年代後半から米国NIH(National Instituteof Health)を中心に始まり、2004年に米国心臓病協会(American Heart Association:AHA)から「女性のための心血管疾患予防ガイドライン」1)が発表されました。 わが国においては遅れること10年、1990年代後半より性差医学の重要性が認識されて、2010年に日本循環器学会から「循環器領域における性差医療に関するガイドライン」2)が発表され、世界一平均寿命の長い日本女性における心血管疾患の性差研究の重要性がやっと認識されました。しかし、疾患の治療や研究はまだまだ男性優位なことは否めません。 4日間の会議を通じて、動脈硬化に対して関心が高まったと嬉しい多くのコメントをいただきました。 あやもとさんや真打ちさんは「バランス良く過ごすことを思い直すきっかけになった」、DiamondBarさんは「通勤時には一つ前の駅で降りて歩く習慣にしたい」、Jerrybさんは「和食よりの食事に心がける」、unagiさんは「高血圧があり、さっそく動脈硬化をドックでチェックします」、まうやんさんは「内科医から早々下がらないと言われたLDLコレステロール値が生活習慣で改善した」皆さん、素晴らしです。 Futchanさんからは「コレステロール値はドックで毎回A判定、CAVIやABI正常にも関わらず頸動脈エコーでは実年齢プラス20歳位とはどういうことでしょう」と再び質問の投稿をいただきました。血液検査やその他の検査で問題ないということですので、おそらく大丈夫だと思います。すこし難しい話になりますが、動脈は乱流の生じる分岐部からプラーク(動脈硬化)が出来てくることが多く、年齢とともに少しずつ、女性は閉経すると加速度的に始まります。総頚動脈が内頚・外頚動脈に分岐する乱流の生じるところに動脈硬化が少しあり、手前の総頚動脈は正常ではなかったでしょうか。 パフィンドーナッツさんからは「ホルモンバランスの関係の場合、食生活、運動習慣に注意しても悪玉コレステロール値が高い場合は何に注意すれば良いか」とご質問がありました。閉経前後より、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は高くなります。高コレステロール血症はLDLコレステロール≧140mg/dLです。食生活、運動、禁煙、適正体重を改善してもLDLコレステロールがよくならない場合は、心血管疾患、糖尿病、腎臓病、年齢、性別、高血圧、喫煙、家族歴早発性冠動脈疾患、脂質異常症などのリスク程度により治療対応が異なります。一次予防(心血管疾患がないこと)では、低リスクはLDLコステロール<160mg/dL、中リスクはLDLコステロール<140mg/dL、高リスクはLDLコステロール<120mg/dLを目標に管理治療します。心血管疾患がある二次予防は、リスク管理をするとともに、LDLコステロール<100mg/dL、家族性高コレステロール血症を含むハイリスク二次予防では、再発予防が重要なのでLDLコステロール<70mg/dLを目指して治療していきます動脈硬化を専門とする女性循環器医としては、この4日間を通じて、Yesの方もNoの方も多くの方が動脈硬化に意識を向けていただけたことを大変うれしく思いました。これからも、生活習慣に気を付けて、動脈硬化予防を是非おこなってください。★関連するテーマの円卓会議・気象の変化。体調に影響ありますか? 議長:鈴木美香・健康管理のための毎日の習慣、ありますか? 議長:佐々木かをり・入学、新年度。環境変化に不安はありますか? 議長:古荘純一
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