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会議番号:3461 開催期間 2017年09月29日- 10月06日
投票結果を見ると、8割以上の方が「賞味期限切れだと思う(YES)」というご意見ですが、投稿では、同じくらいの数の意見が届いています。 YESでは、「幼児・高等教育の無償化は、本来、北朝鮮問題や財政再建に一定のめどがついた後のものでは」(真打ちさん)、「景気回復が緩慢な為、思ったほど税収は伸びず、公共投資の財源はなく、規制緩和も今一歩では看板に偽りあり」(A6M2さん)という意見の一方で、Noとして、「企業体力も随分回復したと感じました。」(kyoko004さん)、「民主党政権時に比較すれば、円は安くなって株価も上がり、微々たるものではありますが所得も景気も上向いています。」(いまいくんさん)などのご意見がありました。 まずは現状を客観的に見てみたいと思います。家計調査でわが国の資産・所得分布をみると、わが国の中間層の崩壊・二極分化が顕著に生じ始めています。下の図は、一橋大学の小塩隆士教授の家計調査に基づく分析で、所得階層ごとの世帯数の比率(所得分布)をアベノミクス前後にわたって比較したものです。 アベノミクス後の姿を見ると、年収400万円から700万円の層の厚みが薄くなり、その両脇である400万円以下と700万円以上の層の厚みが増していることが分かります。アベノミクスの下で、「中間層」が薄くなり、所得分布の二極分化ともいえる現象が生じているのです。最大の要因は、正規雇用と比べて3割ほど賃金の低い非正規雇用者の割合が継続的に増加してきたことと思われます。 一方、「資産」(貯蓄)のほうを見ると、より顕著に中間層の貯蓄分布が減り、上下の層に2極化していることが見て取れます。 また、経済低迷の中で貯蓄を持たない家庭が増えてきていたこともわかります。この要因としては、貯蓄残高の多い高齢者の比率が上昇したことも考えられますが、アベノミクス下での株価上昇の恩恵が一部に偏って生じたと考える方が肌感覚にあっていると思います。 アベノミクスは、成長と分配の好循環、トリクルダウンという表現を多用したが、実際にはそのような現象は生じていないようです。この現象が続いていけば、米国のトランプ大統領の誕生や英国のBREXITに見られるように、わが国の健全な世論形成が阻害され、ポピュリズム的な言動を招き、ひいては社会の分裂をもたらす恐れがあります。 しかしより大きな問題は、突然の解散総選挙でできた小池新党が、この問題に対してほとんどといってよいほど沈黙していることです。憲法や原発では公約作りが進んでいるようですが、アベノミクスに代わるような、中間層をターゲットにした政策はこれまでのところ見当たりません。消費増税も先送りするようで、そうであればどうやって子ども・子育て・幼児教育拡充の財源を見つけてくるのかおおいに疑問です。つまり今回の選挙では、小池新党の経済政策はアベノミクスの受け皿にはならないということではないでしょうか。そうなると、どこに投票するかという深刻な問題が生じます。 中間層の崩壊・二極分化が生じている上記の現状を踏まえ、議論を進めて行きます。アベノミクスが賞味期限切れだと思う方(YES)は、アベノミクスのどこに問題があったと思いますか? また、賞味期限切れではないと思う方(NO)は、今後、どのような政策が必要だと思いますか? アベノミクスの賞味期限について、引き続き考えてみたいと思います。★森信議長の過去の円卓会議より・税や社会保障。世代間の負担は不公平ですか?・消費税引き上げ。先送りに賛成ですか?・軽減税率にマイナンバーカード。あなたは使いますか?
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