働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3351 開催期間 2015年06月26日- 07月03日
これからのコーポレート・ガバナンスの課題について、何名かの方から、外部の声の重要性についてご意見をいただきました。(blueberry53)さんの「問題点をはっきり言い合える環境を造る」は社外の声を受け入れる前提とも言えますし、(真打ち)さんの「外部の声は成長の糧」はまさに社外取締役とコーポ―レート・ガバナンスの関係を示すものです。(いぬいるか)さんの「ボード・ダイバーシティで社外取締役を数から質へ強化」も大いに賛同できます。 また、今回の円卓会議でもたびたび触れている「持続的」という言葉については、(にしひがし)さんが「先の収益、業績に左右されないことも大切」として触れていただきました。 今回の円卓会議は株主総会の話題から入ったので、「株主との対話」について言及してきましたが、(mayupyon)さんから「株主を満足させる結果を出すことが重要」、(あさーかす)さんから「海外の投資家からも評価が高まる」というご指摘もいただきました。 今回いただいたご意見にも入っていたキーワード、「社外取締役」、「ROE」、「株主との対話」。やはり、これらを加速させることが、これからの課題だと思っています。 株主総会は年に一度の開催ですので、日頃の意思決定は「取締役会」で行います。中でも、「社外取締役」に注目が集まりますが、ただ存在するだけでは意味がなく、実効性を高めることが求められます。そのためには、ボード・ダイバーシティを意識しながら社外取締役の人数の確保(最低複数)が重要ですし、社外取締役同士や他の役員とのコミュニケーションが求められます。社外取締役に対する十分な情報提供も必要ですし、そのベースには経営者との信頼関係があります。 社外取締役は非常勤ですが、株主やステークホルダー、世間一般の目線を持ちながら、経営の規律付けなどを通じて、コーポレート・ガバナンスの重要な役割を担います。 「ROE」は株主目線での効率性を示し、株式を上場している会社にとっては重要な指標です。最近では、政府の指摘(8%)や株主からのプレッシャー(社長への反対票)でROEの数値目標を掲げる企業が増えてきました。その結果、日本企業のROEは高まってきており、今年6月末に閣議決定された日本再興戦略改訂2015には「投資家の目を意識した経営が幅広く浸透し、2年前には4社に1社であったROEが10%を超える上場企業は3社に1社を占めるようになった」と載っています。 ROEの向上を目的化するのはよくありませんが、グローバル競争に打ち勝っていく、あるいはグローバル投資家から信任を受けるには、ROEを意識した経営を行うことが不可欠です。 「株主との対話」は最も本質的だと言えます。株主にはいろいろな立場の方がいますが、「中長期目線の株主」と建設的な目的を持った対話(エンゲージメント)を行っていくことは、企業の持続的成長の観点からきわめて重要です。 これからのエンゲージメントの中では、企業の中長期の経営戦略はもちろん、ROEや株主還元、コーポレート・ガバナンスについて議論が深められていくでしょう。上場会社には、こうした株主との対話を成長への機会ととらえていく姿勢が求められます。 コーポレート・ガバナンスの目的は、持続的な企業価値の向上です。平たく言えば、企業活動に関わる人、皆がハッピーになることです。 「コーポレート・ガバナンス元年」と呼ばれる中、株式投資をされている皆さんは、その会社のコーポレート・ガバナンスをしっかりウォッチしていただきたいですし、そうでない皆さんにも日本の経済成長の重要なテーマとして関心を持ち続けていただきたいと思います。 皆さんから、たくさんの刺激をいただいたあっという間の一週間でした。 ありがとうございました。★富永議長の過去の円卓会議・社外取締役の役割、ご存知ですか?・あなたの会社、社外取締役がいますか?★佐々木かをりのWin-Win対談「日本企業のガバナンスを高めたい!」富永誠一さん
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