働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3298 開催期間 2014年06月20日- 06月27日
本日も沢山の投稿をありがとうございました。皆様よく考えてくださり議長冥利につきます。 さて、出来る限り皆様のご投稿に回答し、その後に私の考えを述べたいと思います。 Cindyshrtaさんは貴重なご経験談をありがとうございます。女性が投資家として市場に参加し、もっとボードひいては企業を変えて行くべきというご意見はもっともと存じます。他方で、機関投資家においては既に、ダイバーシティーの実現がなされているかどうかは評価対象とされていることも多いですし、個人投資家においても、昨今、役員に1人も女性がいない企業は株主総会でその点を指摘されることも年々増えてきておりますので、必ずしも女性株主でなくとも、投資家の視点は、徐々に変化しているのが現状で、むしろダイバーシティが経営に与える影響については、投資家は我々一般人よりも早く注目している状況です。 Cheetanさん、女性役員が多いと不祥事が少ないというのはカタリストの「Why Diversity Matters」(2013年7月)において触れられています。英語の報告書ですが、よかったらお読み下さいませ。 Tano hitsujiさん、安倍内閣の日本再興戦略には、そういった育児支援の重要性も挙げられています。例えば最近は男性の育児休業制度を作るだけでは結局は利用しにくいということを問題視し、「男性の育児休業取得率100%」を目指す官公庁・一般企業も増えてきていますね。 DiamondBarさん、自然淘汰が国内だけの話であればそれを待つという方法もあるでしょうが、前回コメントしましたように、現代は企業間競争はグローバルなものとなっていますので、日本企業がグローバル競争から取り残されたことがわかってからでは手遅れとなる可能性が高いと思われます。この点、メリルリンチ日本証券の元社長、現ANAホールディングスの社外取締役の小林いづみさんが本年2月の内閣府のシンポジウムで「待ったなし」であると仰っていました。 ラビットさんのご意見のように、女性役員が多い方が企業の業績がよいというデータには必ず「業績のよい優良企業だから女性を入れるゆとりがあるのでは」との批判がつきものです。この「卵が先か鶏が先か」の議論については今のところ正解を出すことは非常に難しいです。 さて、このラビットさんのご指摘にも関連するのですが、「女性役員を入れて多様性が必要だというのは抽象的にはわかるけど、具体的に一体どういうメリットがあるの?データ以外で何か説得力のあることはないの?」ということについては、具体的に「メリット」が提示される機会が少ないです。そこで、私が実際に企業の監査役をした経験を通じて、「こういうことがメリットとして考えられるのではないか」という私見をお話したいと思います。 【1】まず第一に、一般に女性のほうが組織の論理に巻き込まれず、「ダメなものはダメ」とはっきり言う清廉潔白さがあるように感じています。「場の空気を読み過ぎない」とでも申しましょうか。つまり、女性がボードメンバーにいることで企業が不祥事に巻き込まれにくいということがあるのではないかと思うのです。これは先に触れたカタリストの調査結果とも一致しています。 【2】2つ目に、私が企業の監査役に就任した際に「金野さんが入って、取締役会の雰囲気が変わった」と言われました。要するに、明るい雰囲気になったということだろうと思いますが、明るい雰囲気ということは発言しやすい雰囲気、つまり自由闊達な意見を言いやすい場になるということで、つまりは取締役会が形だけのシャンシャン会議ではなく、会議体として活性化されるということです。 さらには先ほど述べたように女性は場の雰囲気を読みすぎませんので、「こんなことを言ったら馬鹿にされるかな」「こんな初歩的なことを尋ねてもいいのだろうか」「常識で考えたらおかしいと思うけど、常識でものを話していいのだろうか」等、良識ある男性ならためらってしまうようなことを、私達女性は先の「空気を読みすぎない力」を発揮して無邪気に発言してしまうことも多々あるので、自由に物が言える雰囲気が醸成されるということがあるかと存じます。 【3】3つ目に、女性従業員のロールモデルになるということです。女性従業員の活用・登用において、ロールモデルの不在が非常に問題であるという話は様々な企業でよく伺いますが、「ああいう人になりたい」「頑張れば私もあの立場までいけるんだ」というロールモデルの存在は非常に大きいと思います。 社外役員では意味が無いのではと思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。私が企業の監査役になった時に取締役会とそれに続く経営会議には女性1人しかいませんでした。私の任期が終わる頃には、ボードには女性1名のままでしたが、執行役員クラスが参加する経営会議には私を入れて女性が3名になりました。この3人目の女性が「金野さんは社外役員であっても、その存在に大いに励まされました」と仰っていました。つまり、会社の姿勢として、「うちの会社は女性を役員として登用する」というスタンスがあるという明白なメッセージとなるわけです。それがどれだけ女性従業員のモチベーションをあげるかということも看過されてならない重要なポイントではないかと思っています。 以上3点が、私が経験的に感じる女性役員登用の、企業におけるメリットです。あくまで経験的な実感ではありますが、他の女性の役員経験者や女性一般に賛同されることが多いです。 さて、皆様はこれを読んでどのようにお考えになりましたでしょうか。率直なご感想をお寄せください。既にご意見を一部頂いてはおりますが「こんなメリットもあるのでは」等のご意見も、ぜひ改めてお願いできればと存じます。 また、安倍内閣の成長戦略の中には「企業の役員に女性を最低1人」のほか、「2020年までに企業の女性管理職を30%以上に」というポジティブ・アクションも掲げられています。こちらについても併せてご意見を頂けますと幸いです。 (実は投稿の全てにお返事を書いたのですが、長くなりすぎたので残念ながらかなり削らせて頂きました。お返事できなかった方、大変申し訳ありません。貴重なご意見として参考にさせて頂きます。)★金野議長の過去の円卓会議より・ネット上の法的リスク、理解していますか?・不倫のリスク、知っていますか?・すぐに相談できる弁護士、いますか?
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