イー・ウーマン（ewoman）

後退阻止に必要最低限なこと（Hazel Nuts・神奈川県・31）

都議会での「セクハラヤジ」が話題になりました。ジェンダー後進国日本を映す、残念な好事例になってしまいました。国際都市東京と同じことが、国際的な日本企業で起こっているだろうことは、想像に難くありません。同じような価値観、考え方の人たちが、自分たちの考え、やり方が唯一、一番だと思って変化しようとしなければ、後退するしかありません。そのような後退を阻止し、前進、向上させるために女性の視点を入れるということは、今の日本ができていない、必要最低限なことだと思います。

男性中心の視点では限界（レッズ・埼玉県・33）

男性中心の視点から生み出す商品、サービスでは限界があると思います。私の経験上、男性には女性の気持ちは完全に理解出来ないと思います。女性のニーズをしっかり把握できるのは女性です。女性のニーズも取り入れた商品やサービスをどんどん生み出していけば、業績が向上する可能性は高くなると思います。

直結すると考えます（cheetan・千葉県・45）

インターネット等の発達により、物理的制約がどんどんなくなり、モノでも情報でも一個人がエンドユーザーになりえる環境で、人口の半分である女性の意見を聞かないことはエンドユーザーの声を聞かないに等しいと考えます。そして、女性の声を男性社会に届けるための手段として、「役員」という権威は必要です。男性社会は、権威のある者の意見なら聞く、という習性が往々にしてあると考えているからです。よって女性役員の登用は、経済発展に直結すると考えます。

女性目線が男性も生かす社会に（はなちよ・東京都・54）

労働人口が減ってくる日本にとって女性の力はますます大切になるのに、環境が整わない。女性が役員で発言・行動することは、具体的に環境整備、男性社員の意識改革を進めやすいのではと思います。環境、意識の変化で、出産・子育て・家事と女性が主に携わってきた仕事を男性が共有することによって、もっと幅広い視野が男性にもそなわるし、多様性を求められる社会にとって優位なことのように思います。

ダイバーシティは生き残り戦略（シンゴパパ・静岡県・47）

市場の半数が女性で、商品を購入する際の決定権の多数を女性が握っているのに、企業の役員に女性がいない（もしくは1人）という状況では、市場に対する正しい判断が出来るわけはありません。人口が減少し市場の拡大が見込めない中で、アジアをはじめとする海外へ活路を見いだす日本の企業にとって、女性や外国籍の人を含む多様な人々への対応が出来ないようでは、生き残りが難しい。ダイバーシティ対応は企業の責務でなく「生き残り戦術」と考えます。

無理矢理にではなく（Zonnetje・海外・その他・38）

女性役員の登用が業績向上につながるとは思いますが、数だけで判断するのは難しいとはずです。役員を育てられ、企業がそのような女性たちと話ができるような環境作りがない限り業績向上にはつながらないと思います。また活躍する女性役員にスポットライトがあてられれば、おのずと役員を目指す女性も増えていくと思います。

女性役員を誰が選ぶかが課題（blueberry53・大阪府・57）

ダイバーシティを進め、女性活用することで企業の業績は向上すると思います。その理由は、色々な人の意見が生かされることで、より良い商品、サービスの提供に繋がることはもちろん、業務の効率化にも資すると思うからです。ただ、女性役員に関しては、経営感覚のある女性を見極めなければ経営が停滞してしまいます。自社に合った優れた女性役員を、誰が、どのように見極めるかが最も重要な課題だと思います。

幻想だと思います（MANAMIN・東京都・34）

女性の活躍推進には賛成です。しかし、役員に女性が増えたからといって、業績が向上するとは思えません。ましてや義務化することには反対。能力ある者が男女関係なく登用されるのが本来だと思います。私の勤める会社は女性役員比率が50%です。だからといって、業績が良いとも思えませんし、感情的に決断をくだすことも多く、かえって弊害をもたらしているように思います。

広告塔にならなければいいが（dokinchn・東京都・51）

まだまだ男社会。特におじさん世代の男性は男尊女卑の考え方が根底に有ります。東京都議会のセクハラやじを見てもそうです。下のナマの意見がどれだけ耳に入ってくるのか、判断実行力がないがしろにされていないか、実際の実態がよくわかりません。確実に上が女性だと残念だとか失敗したとか思っている部下はいます。上辺だけの役員にならないようにしていかないといけないと思います。

初日から多くの、そして多様な意見をありがとうございました。この「多様性」というのがまさに女性役員が必要とされている背景事情にあります。「男女平等」等といった人権の問題ではなく、経済問題の文脈で捉えられていることが第一のポイントです。
 
すなわち、現代社会においては技術の進歩も日々著しく、また他方で企業間の競争が国内に留まらずグローバルな競争が常態となっています。インターネットを経由して情報は国境を容易に超え、また商品・サービスそのものも、世界を相手にした取引が可能です。企業は、世界を相手に競争するために、多様な人種・民族にアプローチできるイノベーティブ（革新的）な発想に基づく商品・サービスを常に開発する力が求められ、そのために企業内に多様な人材を取り込む必要があるのです。

そのため、世界的に企業内の人材に「ダイバーシティ＝多様性」が必要と言われ、法律でそれを規定（クオーター制）している国もある中で、ただでさえ単一民族で構成されている日本の企業が世界を相手にした競争に勝つには、企業の中に多様な人材を確保する努力が必要であることは明らかではないでしょうか。この多様性は、性別、人種、年代、経験、様々な方向性が考えられますが、既に述べたとおり、「ダイバーシティの試金石」と言われるのが女性、とされています。

「多様性」の必要性は企業経営の場面においても同様であり、多様な人材を経営陣に持つことが企業の競争力強化のために求められる結果、ボード・ダイバーシティ（役員の多様性）が必要であり、役員における女性の比率増加が「待ったなしの急務」として安倍内閣の主要施策となっているという状況にあるのです。

実際に、統計的にも、女性が役員に多い企業の業績（自己資本利益率（ROA)、売上高利益率、投下資本利益率）は女性役員の少ない企業よりも高く（カタリスト、The Bottom Line,2007）、さらには、女性役員がいる企業は、不祥事が少ないというデータがあると聞いています。
 
さて、企業が女性の役員を入れることについては、現代の文脈では、人権問題ではなく経済問題として語られていること、そしてそれは、エンドユーザーの半分が女性だから女性を入れないといけないということのみに留まらず、企業内に「多様性」を確保しないとグローバル競争に勝てない、という視点に基づくことをご理解いただけましたでしょうか。
 
ここまで聞いてきて、皆様の率直な感想はいかがでしょうか。「そんなことを言われてもピンとこない」「実際に役に立つのか」「データはわかったが因果関係が理解できない」など、いろいろなご感想があると思います。ぜひ、率直なご意見をお聞かせください。
 


★金野議長の過去の円卓会議より
・ネット上の法的リスク、理解していますか？
・不倫のリスク、知っていますか？
・すぐに相談できる弁護士、いますか？

• 2014.06.23
• 金野志保 弁護士