イー・ウーマン（ewoman）

国民全体で危機意識の共有を（blueberry53・大阪府・65）

この問題を社会の上層部にいる人（高齢者等）の問題にするのは疑問に感じます。真に危機意識を持っている方であれば、誰であれ女性を（人を）平等に見て活躍させなければ企業、社会がもたないと考えると思いますし、その能力を最大限に発揮させる努力を惜しまないと思います。私は、日本が高度成長後の安定に安住し、変化に対応できていないと危惧しています。また、その風潮に世代に関係なく流されているようにも思います。危機意識を皆が共有しなければ意識改革は動かないのではと思います。

不祥事（ぴーくお・東京都・48）

ジェンダー平等推進の署名をしたと会社で40代の男性に言ったら、「集団ヒステリー」と言われました。リーマンショックは白人の50代男性という同質集団で経営していたから起こった可能性が否めないと結論付けられていますが、名だたる日本の有名企業が不祥事を起こすのも同質性が原因だと思います。ダメなものはダメと声をあげられる社会にならないと日本全体が世界からも信用されなくなります。今回の森発言で変わるきっかけになって欲しいと思います。

思考の鮮度（真打ち・栃木県・52）

上層部は、自身の考え方が理念や時代に沿ったものであるか、常に思考にも鮮度を保つ必要があると、私は思う。又、こういう時にこそAI技術がモノを言うのではないか。言いづらい部分にも容赦なく切り込み、私情のない公正な判断で善し悪しが精査されるなら、活用を大いに期待する。そして、今回の挨拶に事前原稿があり、内容に対する判断にAIが活用されていたら、問題が起きなかった可能性が高かったように思う。

全員に研修を（本の虫・大阪府・49）

まずはメンバー全員に、組織にとって重要な考え方やコンセプトなどについての研修を行う必要があると思います。初回の１回きりでなく、３か月または半年毎に研修を行って欲しいと思います。あと、難しいとは思いますが、リーダーや多数派の意見に異を唱えることができる人も組織には必要だと思います。

研修と本人の自覚（DiamondBar・東京都・52）

基本的には研修が必要だと思います。私も受けましたが、ボランティア用の研修ビデオを見てもらえばいいことです。オリンピックの起源や意義などは運営に携わるものとして知っておく必要のある最低限のことと、研修ビデオでも言ってました。理解できない、理解しようとしない人は携わって欲しくないと私は思います。ただ最終的にはリーダーであろうとも、選ばれたからには必要な知識やスキルを学ぼうという姿勢の問題かと思います。

上層部の理解（ナカサワ・東京都・52）

議長の書かれている通り、上層部（ほとんどが中高年の男性だと思います）への研修です。世界基準から日本が相対的に落ちつつあるか、それが人材不足につながることを認識し、誰でも持ちがちなアンコンシャスバイアスについて理解してもらうこと。そもそもの基本として、ダイバーシティ推進は女性や障害者の“活躍させる”福利厚生ではなく、経営戦略やリスク回避であることを理解してもらうことです。

教育から「当たり前」に（Jerryb・東京都・54）

実際のところ、男性にしろ女性にしろ意識を変えるには、優秀な女性と仕事をする経験にまさる教育はないと私は思っています。鶏が先か卵が先かの話になってしまうかもしれませんが、教育によって女性が抑圧されないようにすることでビジネスの世界に残る優秀な女性を増やし、それが当たり前になることでさらに女性が入ってこられるようになるのが理想です。自分もチャンスが巡ってきたなら、ためらわず手を挙げていきたいと思います。

教育から（パフィンドーナッツ・埼玉県・52）

家庭、学校等々、子どものうちからしっかりと学ぶに尽きると思います。しかも常識は時代によって変わってくるので、常に学び続ける場が必要であるとも思います。

トップとサポートする人を増やす（シンゴパパ・静岡県・54）

長期的には教育だと思いますが、それだと時間もかかるので、まずは、官が見本を見せることだと思います。議員、公務員、公的機関、国や地方主催の委員会、審議会等のトップと管理職の女性比率を3割以上（できれば5割以上）に早急に上げることだと思います。やはり、トップとそれを支える人たちを変えることで、世の中を変えることが出来ると思います。

環境（n.dan　・広島県・47）

年代によるのかもしれませんが、意識を変えるのはすぐには難しいです。クオーター制など仕組みで変えていくことが、まずは有効だと思います。環境は大事です！

女性が会議で過半数になる（Nobusan・長野県・60）

小田嶋隆氏が「会議は出来レースで、誰がどの様に決めたか不明。分からないのが良い。質問、意見、提案はもっての外。女性は真面目で優秀なので、質問、意見、提案をするので会議が長くなり、色々と不都合な事が公になり困る」と記事にしていました。その通りだと思います。これでは、日本は益々沈んでゆく。解決には、より多くの女性が会議に参加し、活発な議論をして結論を出し、オープンにし、実行していくしかない。

問題の根深さが随所に現れている（chako21・京都府・43）

唐突に前言撤回して辞職を表明、後任は内々に決定、その後任もその後翻意…というプロセス全体が、世界に対して恥ずかしく思う。他方で今回森氏が辞職に追い込まれた背景にSNS等による世論の力はあったように思う。今後はSNSを通じた個人の意見表明が力を持ってくることを改めて認識し、私たち女性も、適切な時期に適切な表現で声をあげていく必要があると思う。

今週一週間、「森会長の辞任、問題は解決したと思いますか？」というテーマで　皆さんと議論させていただきました。問題は解決していないと答えた人が圧倒的多数でしたが、ここまでこの議論が盛り上がったのは、多くの皆さんが、今回の問題を通して、日本の組織や社会の中に潜む問題を感じ取ったからなのではないでしょうか。そして、何より、今、問題の本質を洗い出さなければ、ずっと日本は変わらないのではないかという危機感を共有したからだと思います。
 
オリンピックのスポンサー企業が批判の声をあげたことも大きいと思います。アメリカでトランプ支持者による議会乱入事件があった後、アマゾンやＧＥなど多くのアメリカ企業が共和党への政治献金をストップさせました。ＳＤＧｓを推進しているという企業にとって、今回の森さんの発言は、ただの失言ではすまされない。おかしいことはおかしいと、民間から声を上げることは大きな圧力になると実感しました。
 
再発防止のためにはどうしたらよいかという問いかけにblueberry53さんからは、「上層部にいる人（高齢者等）の問題にするのは疑問。国民全体で危機意識の共有を」という意見をいただきました。確かに差別に鈍感になっているのは、世代に関係ないかもしれません。差別発言だと思ってもみなかったことが、差別発言と受け止められることがあるということ、そして、女性だからマイノリティ（少数派）というわけではなく、場所や状況が変われば、誰でもマイノリティにもマジョリティ（多数派）にもなりうるということを私たち一人ひとりが覚えておきたいですね。
 
また、多くの人からはやはり、研修や教育が再発防止になるというご意見をいただきました。Jerrybさんからの、「優秀な女性と仕事をする経験にまさる教育はない」というご意見にも賛成です。まずは、思い切って優秀だと思われる女性は登用してみる、こんな姿勢が組織には必要とされています。
 
この議論をしている一週間の間に、森会長の後任のオリパラ組織委員会の会長が、橋本聖子氏に決まりました。橋本会長は、記者会見で、組織委の女性理事比率を40％にする。多様性と調和を打ち出し、タスクフォースも作るという趣旨の発言をされました。ぜひ有言実行していただきたいです。
 
日本だけでなく、世界が注目したこの問題、皆さんの目でもしっかり監視していきましょう。これをきっかけに、少しでも日本が差別のない社会に向かって進むためにも！


★大門議長が登壇した国際女性ビジネス会議のレポートより
・トークショー「ジェンダー平等が大切な理由」第24回国際女性ビジネス会議
・円卓会議「SDGs and Media」第24回国際女性ビジネス会議
・トークショー「旅の意味」第25回国際女性ビジネス会議

• 2021.02.19
• 大門小百合 ジャーナリスト、元ジャパンタイムズ執行役員・編集局長