イー・ウーマン（ewoman）

死生観から（緑風・京都府・45）

年齢制限をかけることに賛成です。そのために過度な延命治療や尊厳死といったテーマについて、国民的な議論が必要だと思います。医療の進歩に頼りただ長く命を繋ぐことが最善なのか、人によって考えが違うテーマですが、その結果、財政の健全性が大きく損なわれ、次世代に多大な負債を押し付けるのであれば、「人による」では済まされないと思うのです。

収入に応じて負担（あさーかす・大阪府・44）

私は、年齢制限をつけることには反対です。議長が例にあげているように、一定以上の収入があるなら負担を3割にするなどし、そうでない人はこれまで通りに公的保険で賄うということでよいと思います。収入に関わらず年齢で制限をつけると、現役世代にも、最後は厳しい現実が待つ未来を示すことになります。それは現役世代の意欲や経済効果にも影響すると思います。

年齢ではなく所得で制限をつける（mayupyon・東京都・45）

私は公的医療保険の適用に「年齢」で制限をつけるよりは、成人以上のどの年代においても「所得」で制限をつけるほうが良いと思います。議長のコメントにありました「応能負担」という考え方です。年齢にかかわらず支払い能力のある人は医療費の自己負担率が高くなる。そのぶん、民間の医療保険などでカバーするシステム、というのはどうでしょうか。

支える人の負担軽減を（unagi・東京都・56）

私は人口減少イコール国力衰退に繋がると考えるのでYESとしました。私は、余裕のある高齢者の方には自己負担を増やしてもらう事と、医療保険適用に年齢制限をつける事はこれから必要だと思っています。もちろんジェネリック薬品を使用するなど、あらゆる無駄を削減する事が前提ですが。先日、健保組合全国大会でも高齢者医療費の負担構造改革がテーマの一つになっていましたが、増え続ける高齢者の医療費を少ない人数で支える事には限界があると思います。

年齢制限よりは金額の上限設定（DiamondBar・東京都・47）

年齢による制限は合理的にも思えるのですが、ある年齢以上の人に長生きしなくてもいいと言っているような気がして素直にうなずけません。高額医療の負担上限をなくしてしまうか、民間の保険のように年間の支払いの上限を設定するほうがいいように感じます。難病指定されている病気は別に考えれば、極端に困ってしまう人はないと思います。

過保護と表裏一体（真打ち・栃木県・47）

高齢者の所得把握については、確定申告と連携する等、一定以上の収入のある者はそうでない者に比べ管理し易いと思われる。仕事で保険診療を扱うが、手厚い制度は軽微な症状での受診者と待ち時間を増やしてしまう側面がある。身の丈に合った負担が自己管理の向上につながれば、おのずと財政も改善されると私は思う。(前回の補足になるが、高齢者の医療費も、現役並み所得者は3割負担が正解ではないだろうか）

何らかの形で制限をつけないと制度がもたないということでは、皆さんの認識は一致しているように思います。応能負担ができる老人には医療費の自己負担分も現役並みというのは、ある意味で分かりやすく、割に「公平感」のある政策だと考えます。ただ問題は、老人の所得をどう補捉し、それと医療をどう結びつけるかということなのです。

たとえば、75歳の私（今はまだ70歳前ですが）が病院に行くとします。窓口で医療IDカード（マイナンバーのような写真・ICチップ入りのカード）を提出すると、私が国民健康保険の保険料を払っているかどうか、収入がどれぐらいあって、医療費の自己負担分がいくらかということが確認できるようになっているだろうかという問題があります。当然、個人情報を含む情報が病院に把握されるということになるのですが、それを甘受しないと「応能負担」が実現しません。ここは今後難しい問題として提起されると思います。

この高齢者の「受診制限」という話は、とても微妙な問題で、なかなか議論するのが難しいテーマですが、人口が減っている中では避けて通れない課題です。

次に人口そのものについていくつかポイントをまとめておきます。①人口減少は社会のあり方が「激変」するような急激なものであるということ。②人口減を押しとどめることはほとんど不可能なので、「激変緩和措置」言い換えれば少しでも「持続可能」な社会制度に変えなければならないこと、③高齢化率が高い社会では「シルバーデモクラシー」になりやすいので、政治家には相当のリーダーシップをもって高齢者を説得する覚悟が要求されること。

暗い話で恐縮ですが、こうした覚悟をもって社会変革、地域変革をしないと共倒れ社会になってしまいます。1週間、どうもありがとうございました。






★参考：藤田議長が執筆された記事です。
「人口減はフリーフォール、2060年には3分の2に/森田朗国立社会保障・人口問題研究所長に聞く」


★藤田議長の過去の円卓会議より
・政務活動費、知っていますか？
・中国の南シナ海進出、脅威ですか？
・アメリカ大統領選、興味ありますか？

• 2016.12.16
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹