イー・ウーマン（ewoman）

事実婚でいいのかも（walk714・海外・その他・38）

婚姻前に、離婚した場合の財産分与の事前取決めが一般的な欧米社会。主に金銭問題での負担軽減理由で事実婚が多いのか、と思うこともあります。制度も既婚とほぼ遜色ないですし。風評リスクは初めて聞きました。「世間が」と言われる事の多い日本だからでしょうか。神に愛を誓ったからこそ？欧米人は不倫がばれると、即・離婚、一方が我慢したり、寝室を別にする事がないのは、離婚した場合の事前取決めが一般的になっているからだと思います。日本にはなじまない慣習なのが残念です。

双方不倫している夫婦の慰謝料（mayupyon・東京都・42）

先日投稿したのとは別の友人のケースですが、夫が週の半分は不倫相手の家に入り浸って1年以上になり、ずっと黙認していたがそろそろ離婚を訴えて慰謝料を請求したいと証拠集めを始めているようです。一方で、実は彼女自身にも浮気相手がいるため、それが発覚すれば慰謝料を請求できないのではないかと、友人である私は密かに心配しています。法的にはどうなのでしょうか？

不倫の場合だけではない（mamisan・東京都・42）

法的観点からの不倫のリスクは、制度としての結婚を客観視させてくれます。子どもが出来た時の養育費や財産分与の問題は、不倫がなくとも離婚と再婚に伴い起こり得ます。もし高齢の親が離婚・再婚したら、不倫の慰謝料以外の問題が家族内で出てきます。意外で疑問なのが、養育費不払いへの給料差押え。日本では法的強制力は実質機能していないと感じます。議題からそれますが、子どもの貧困の遠因になっていると思えます。給料差押えまでの道のりと労力を考えると請求を諦める人が多数では？と、私は思います。

慰謝料だけで終わらず（ひるね・東京都・46）

10年ほど前、不倫をしていた友人が相手の奥様から慰謝料を請求され、関係を終わらせてさっぱりしたいと思っていた友人は支払いにあっさり応じました。それで終わるかと思いきや、奥様がうつ病を発症し、原因が友人にあるということで、弁護士を通じてその後も様々な要求があったそうです。すべて収束したのは近年だと聞いているので、そういった相手の心を傷つけることによるリスクもなかなか大変なものだなと思った覚えがあります。

それでも続けますか（真打ち・栃木県・43）

父親は、不倫で10年家を留守にした挙げ句突然私たちの元へ。元来、愛情が希薄な人で、虐待までに時間は掛からなかった。幼かった姉弟で「寝ている所を刺してしまおうか」と相談するほどかなり追い詰められていた。母は、やっと自分の元へ戻ったという気持ちが大きく、私たちの苦しみには耳を傾けず、やがて暴力は母へも向けられ、現在老人になった二人はDVにより別居中だ。私は、親の裏切りで長い間人間不信に陥った。多くの人に問いたい。｢不倫は、良い行いですか？｣

想像してみましたが、（ゆきなな・海外・その他・32）

妊娠リスクについては、ここまで現実的に、考えが及びませんでした。最近、夫婦に子どもがいるのといないのとでは、どんな事もその結論が大きく変わるものだと実感しています。実際私が子どもを産んだ時には、ここまで自分の人生を大きく左右するものであるとは思わなかったのが正直なところです。これが分かった今、それでも愛した人の子どもなら、たとえ不倫してできた子どもでも、産むと思います。

本日もたくさんのご投稿をありがとうございました。
不倫とは直結しないご投稿も含め、コメントをして行きたいと存じます。
 
まず事実婚について。事実婚であっても貞操義務はありますので、単なる同棲を越えて「事実婚」（古典的な言葉で言えば内縁関係）と言える関係であれば、事実婚外の相手との肉体関係は慰謝料請求の対象になりますので、事実婚であれば不倫の様々なリスクが回避できるとは限りません。
なお、事実婚の場合、相続権がありませんので、事実婚をする場合は互いに遺言書を書くなどすることをお勧めします。長年の事実婚で資産を築いてきた夫婦が老後に悠々自適の生活を送っているところで男性が突然死し、財産その他全てを遠縁の親族に持っていかれることがわかり、悲しみのあまり自死してしまった方を見てから、私は事実婚において遺言書は不可欠だと考えております。
また、婚前契約（プリナップ）の制度は日本にも存在するのですが、その制度を利用するメリットが少ないので利用される方が少ないです。これについては機会がありましたらまた稿を改めて触れたいと存じます。
 
双方不倫をしている場合、双方が慰謝料を払うべきことになるでしょう。ただ、夫婦関係が破綻して別居した後の婚外の肉体関係は法的には「不貞行為」と評価されないので、相手の不貞の証拠を掴み、他方で自分の証拠をつかまれないうちに家を出て別居してしまったら、立証の観点からは一方的に請求できる場合もあるかもしれません。
 
養育費の請求が意外と強制力があることに驚かれた方もいるようです。では何故世間で「養育費はそのうち払われなくなるケースが多い」と言われているのでしょうか。1つには、養育費は、公正証書または調停調書にしてしまえばそれだけ強い効力があるということが世間であまり知られていないことがあると思います。「養育費はそのうち払われなくなるものだ」という世間での噂を鵜呑みにして初めから諦めている方が非常に多いです。もう1つは、差し押さえるべき給料や財産がなければ、あるいはそれらがどこにあるかわからなければ差し押さえもできません。つまり、相手が貧困であるか、あるいは勤務先や貯金のありかがわからなければ公正証書や調停調書も意味がなくなってしまうということです。
 
不倫が配偶者に与える精神的打撃も看過できないものがあります。世の中でこれだけ不倫が増えてきていても、やはりそれが自分の配偶者が行なっている、という事態には耐えられないとして心の病に陥ってしまうことがあります。また、不倫相手側からみても、相手の配偶者が精神を病んだ挙句、過剰な攻撃をしてくることもありますので、そういった危険性についても十分認識しておくほうが良いように思います。
 
さて、この1週間、不倫のリスクについて皆様と一緒に勉強してきました。これだけ不倫のリスクを列挙して参りますと、「不倫なんて怖くてしていられない」と感じられる方も多いのではないでしょうか。とはいえ、自分や自分の配偶者、あるいは身近な方がこういった事態に絶対に巻き込まれないとは言い切れないと思います。万が一そういったことがありましたら、この円卓会議での議論を思い出して頂けますと幸いです。
 
1週間、お付き合いいただき、ありがとうございました。
 
 

＜金野議長の過去の円卓会議より＞
◆離婚、考えたことありますか？
◆すぐに相談できる弁護士、いますか？

• 2013.07.19
• 金野志保 弁護士