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会議番号:3175 開催期間 2012年06月15日- 06月22日
投票と投稿、ありがとうございます! アザラシやオットセイ、クジラについて、皆さん、いろんな印象を持っておられるんだなぁ~と、勉強になりました。月のしずくさんの「他人とは思えず」というコメント、私もアザラシの研究をするようになってから、「アザラシに似てきた」と周りから言われるようになったので、他人とは思えません……。 オッタムさん、環境問題と結びついた形で興味を持っていらっしゃるとのこと。「三河湾のシロイルカ」とありましたが、シロイルカは三河湾にはいないので、「スナメリ」のことでしょうか。いずれにしても、人と生物の共存については、今後ぜひ考えていきたい問題ですね。 さて、よろけ縞さんからも質問のあったアザラシとオットセイ、そしてクジラの違いから。どれも、海の中で餌を採れるように適応していった「海棲哺乳類」なのですが、進化の過程は異なります。アザラシやオットセイは鰭脚類(ききゃくるい)という仲間で、陸棲動物で近いのはイタチ。一方、クジラ、イルカは鯨類で、カバに近いです。 さらに詳しく言いますと、鰭脚類は、アザラシ科、アシカ科、セイウチ科という3つのグループに分かれます。セイウチ科にはセイウチ(牙が生えていて、水族館のショーで腹筋とかやっている動物です)1種のみなのでわかりやすいと思いますが、アザラシとアシカの違いは、なかなかわかりませんよね。 そこで、まず下の写真を見てみてください。 上がキタオットセイの赤ちゃん、下がウェッデルアザラシの赤ちゃんです。よーく見ると、オットセイにはぴょこんと耳たぶが出ていて、アザラシには耳たぶがありません(穴があいているだけ)。これがアシカ科とアザラシ科の違いの一つです。 その他にも、アシカ科は後足も使って犬のように陸上を歩けるけれど、アザラシ科が陸上を移動するときは、前足を使って芋虫のように這うだけ、とか、海の中ではアシカ科は前足を使って鳥のように羽ばたくけれど、アザラシ科は後足を左右に動かして泳ぐという違いもあります。今度、ぜひ水族館やTVなどで見たときは確認してみてください。 キタオットセイの赤ちゃん ウェッデルアザラシの赤ちゃん 目の横をよく見てみると、オットセイには耳たぶがあり、アザラシにはありません。 これがオットセイをはじめとするアシカ科とアザラシ科の違いです。 アザラシやオットセイ、クジラの、可愛さ、雄大さを挙げてくださった方も多かったのですが、ちょうどこの原稿を書いている6/17に、アザラシに関する2つのニュースがありました。一つは「野生アザラシ、湘南海岸で日光浴?…珍しい行動」、そしてもう一つは「襟裳岬のゼニガタアザラシ、40頭まで試験捕殺」です。 日本で見られるアザラシのほとんどが、北海道で見られるのですが、たまに海流に乗って、南下し、東京などでも見られることがあります。そうすると、注目されて名前をつけてもらったり、住民票ももらえたりします。 その一方で、多くのアザラシが棲息する北海道では、漁業被害を与える動物として問題になっています。 アザラシやオットセイは1年に1頭ずつの子どもを産むので、放っておけば、よほどのことがない限り増えていきます。海の魚は彼らの餌でもあり、私たちの重要な食料でもあります。漁業被害が大きくなれば、漁業者さんたちも生計が立てられません。どうやったら人間と海棲哺乳類が共存できるのか、それが今、私たちの課題となっています。皆さんは、どのようにすれば解決できると思いますか? アザラシなどに興味がある方、どんな小さなアイデアでも結構ですので、ぜひ考えを聞かせてください。 興味がない方も、「漁業被害を与える動物」としてみると、また見方が変わるかもしれませんね。共存する方法について、ぜひご意見を聞かせてください。
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