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会議番号:3155 開催期間 2012年03月19日- 03月26日
たくさんのご意見、ありがとうございます。 「総合こども園」をテーマに進めてきましたが、原点に返って、「私たちは、日本の子どもたちをどう育てていったらよいのか」ということを考えてみたいと思います。 Jerrybさんがおっしゃるように、これまで幼稚園に主として求められていたのは「家庭ではできない教育を行うこと」で、保育園に主として求められていたのは「(親が働いている間)家庭に代わって子どもたちを保護すること(給食もその一環です)」であったと思います。 では、親として、あるいは社会として、子どもたちをどう育てたいか、と考えると、「安全・安心な環境の中で保護しつつ、年齢に応じて必要な教育を行いたい」ということではないかと思います。 ところが、(母)親の就業の有無によって幼稚園か保育園かに分けられるというのが元々の仕組みでしたので、このように「両方の機能がほしい」という親たちの願いに応じるための受け皿がありませんでした。こうした願いに、役所の垣根を超えて初めて対応したのが「認定こども園」であり、これを一気に「標準化」しようというのが今回の「総合こども園」だと言えると思います。 少子化に対応して、多くの地方では、一つの区域に幼稚園と保育所の両方を維持することが難しくなり、幼稚園が働く親のために預かり保育を行ったりして、「事実上の幼保一体化」が進んでいるのが現状です。見方を変えれば、「新システム」は、こうした実態に制度を合わせたもの、ということもできます。 mr-mamaさんとふみこんさんのご意見について。現在の認可保育所については、「新システム」の本格施行後3年程度の経過期間後にすべて「総合こども園」に移行させることになっています(「認定こども園」についても円滑な移行のための特例が設けられる方向)。これに加えて、現在の幼稚園が「総合こども園」に移行することを財政的に後押しするとともに、認可外保育施設についても一定の基準を満たせば「こども園」として指定して国からの補助金を新たに入れることになっていますので、この両面から待機児童対策が進むことが期待されます。 Aki0014さんから「幼稚園教諭と保育士の免許制度の一本化」についてご意見をいただきました。「総合こども園」の“先生”に当たる「保育教諭」は、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を「併有」することが求められます。このように、人材面からも、学校としての機能と児童福祉施設としての機能を併せ持つ「質の高い学校教育・保育の一体的提供」が担保されることになります。 citizenさん、るんこさん、エッコさんから、「総合こども園」でさまざまな家庭事情(お迎えの時間もばらばら)の子どもたちが「混在」することになって問題は生じないか、という問題提起がありました。送迎の時間がみな同じという状態に比べると、運営する側の手間は増えるだろうと思いますが、現在でも、多くの保育所では経験していることですし、「いろいろな家庭事情のお友達がいる」という現実を幼いうちから学んでおくのも悪くない、という捉え方もあるかもしれません。 「総合こども園」は、幼保一体化の理念と待機児童対策としての受け皿拡大の「一石二鳥」を狙ったものですが、その結果生じる「混在」の問題について、すべての子どもたちに「良質な成育環境を提供する」という観点から、どのように対応していったらよいと思いますか? 社会全体として、日本の子どもたちをどう育てたいかということをいっしょに考えていきましょう。
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