イー・ウーマン（ewoman）

条件付きの賛成です。（3匹の怪獣・千葉県・41）

長男は障害児も受け入れている幼稚園、長女は普通の幼稚園、次男は保育園へ通わせましたが、その後の子どもたちの生活面・教育面での成長には大差はありませんでした。園の選択は結局のところ親の都合（仕事、登園手段、お弁当の有無、ブランド等）によるもので、どの園に通わせても親と先生さえしっかり見守っていれば、子どもは真っすぐ成長するのだと実感しました。保育システム（構造）をあえて複雑な状態で維持する必要はないですが、それを見守る先生・親の質の向上は絶対不可欠な条件です。

理念としてはOKですが（hw・茨城県・39）

「総合こども園」のことを詳しく知っている方です。「子ども・子育て新システム」の導入には反対です。内閣府の「総合こども園」ができても、文科省と厚労省によるそれぞれの認可は残るので、システムとしてややこしくなっただけのような気がします。子どもを預けられなくて“激戦”なのは都市部の特に0～2歳です。まずは幼稚園に0～3歳を預けられる仕組み（たとえば保育士の給料を出すとか、施設改築をサポートするとか）を作ることなどから改革を始めてほしいです。

保育園経営の方から聞きました（abbyi・神奈川県・34）

昨年、保育園の設計と建設に関わった際、保育園を経営されている方から総合こども園の話を聞きました。厚労省管轄の保育所と文科省管轄の幼稚園を最終的に一元化していくという話で、設計の立場としても法律が一元化されれば助かるな、と思った覚えがあります。非常に似た用途なのに、法律が違うために必要な設備や寸法の基準などが異なり、大変紛らわしく、正直言って迷惑とすら思うこともしばしば。何でもっと早く一元化しなかったのかと思います。

無認可保育所を認可することから（どろまり・神奈川県・58）

現在の待機児童受け入れ先になっている無認可保育所に手を差し伸べて欲しいです。私は3年前に24時間受け入れの託児所を設立しました。設備も児童福祉課の指導の下、きちんとしたものにしましたが、補助金は年間わずか5万円。保育士たち給料も不足がち。私の貯金を取り崩し、家賃等を払っています。いつまでこの状態が続くかわかりませんが、父母に必要とされているので頑張っています。子育て支援の予算はどうしてこういうところに回ってこないのか、もどかしさでいっぱいです。

保育・教育はサービスにあらず（asuka0921・東京都・38）

そもそも保育や教育を「サービス」と捉えること自体に疑問。国や自治体が責任を持って質を落とさないように仕組み作りして欲しい。構想自体は悪くないが、保育園と幼稚園の現場が混乱し、子どもに悪影響がないか心配。現場の先生方からは反対が強いと聞くので、じっくり現場の意見を取り入れながら、よく検討してから移行してほしい。また民営化も、一部富裕層がより高いサービスを選ぶのは構わないが、「お金が無い＝教育できない」、「利益が出ない＝廃業」は許されないのが保育・教育だと思う。

今、少し理解しました！（もろりん・40）

急な引越が決まり、待機児童瀬戸際です。急遽引越先の保育所を探したため、締切後に認定こども園があること、申込み先が別なことを知りました。これってこれからできる施設じゃないの？と混乱したのですが、それは総合こども園だったのですね。両親で充分時間をかけられない分、少し割高になっても、保育＋幼児教育も受けさせたいです。問題点はまだ理解していませんが、所管機関の一本化で施設が早く増えるのなら、歓迎です！

知りませんでした（優太のママのあき・福岡県・41）

6年前まで保育園を利用。「認定こども園」は知っていましたが、議長コメントで初めてそれが何たるかをきちんと理解しました。新制度の「総合こども園」は知りませんでした。保育園の入園申請の際、入園条件に「子どもの保育に欠ける場合」とあり、この記載は母親失格の烙印を押されているようで、いつも不快でした。子どもの教育内容が親の就業状況により異なることは本来おかしく、例えばスウェーデンの就学前学校のように、皆が同じ学校に入学するようにしてもらいたいです。

整理して一点突破を狙ってほしい（Jerryb・東京都・45）

最初、「総合こども園」は「認定こども園」のことかと思いました。説明を読んでも正直、管轄省庁が違うだけのように見えます。総合こども園でやりたいことは、当初認定こども園が目指すはずのものだったのでは？　それ以前に、幼保一元化はそもそも80年代に出た概念ですが、ようやく実現が議論され始めた今は時代のニーズが違ってきていると思います。こども園構想で縄張り争いをするのでなく、どうやっても足りていない保育園をすぐに、重点的に整備するほうに注力してほしいと感じます。

内容はよくわかりません（Ai・兵庫県・38）

待機児童解消の目玉政策と聞きますが、待機児童の8割を占める3歳以下の乳幼児の受け入れ義務がない（施設が受け入れるかどうかを判断する）とのこと。保育所を増やすのではなく、新たな施設を創設するメリットも必要性もよくわかりません。わたしの理解力不足なのでしょうか。

園で情報は得ています。（るんこ・福岡県・34）

私の娘が入所している保育園では、新システムについての学習会や反対の署名集めなど、新システム反対の運動が盛んです。学習会の講師として来られる方々の話は、新システムによって認可の基準が下がり給食がなくなる、保育の質が下がる等、ネガティブなことばかりで、偏った情報しか入っていないと感じています。実際、総合こども園になると子ども達の園生活はどのように変わるのでしょうか。学科と単位のたとえ話ではピンときません。

いわゆる幼保一体化のこと？（tarbagan・東京都・37）

2歳の娘を区立認可保育所に預けている者です。マスコミで言われる「幼保一体化」の事かなと思います。2年ほど前から新聞にちらほら話題が出て、子どもたち全体を考えれば幼・保で分ける必然性はなさそう、という感覚から基本路線については賛成していますが、一方で保育園の先生の労組は、保育格差が生まれること、保育時間が子によりまちまちで全体としてまとまりに欠けることを問題視していて、私もそこを心配に思っています。

幼保一体化の施設であれば、今既に「認定こども園」があるのに、なぜわざわざ「総合こども園」を創設しなければならないのか、について、もう少しご説明させていただきます。
 
「認定こども園」については、利用者の8割近くが「評価している」と答えていますが、認定数（23年4月で約760か所）は期待したほどは伸びていないのが現状で、abbyiさんのご意見に端的に示されているように、設置者等からは「厚生労働省と文部科学省の連携強化」が課題の一つであるとの声が聞かれます。こうした「縦割り行政」の問題は、「総合こども園」を内閣府が一元的に所管することで解消されることになります。
 
また、現在約2万3千ある認可保育所は、一定の経過期間を経て原則としてすべて「総合こども園」に移行することが想定されています。現在約1万3千ある幼稚園についても、財政的なインセンティブ等により「総合こども園」への移行を促すことになっており、幼保一体化に向けて大きく前進することが期待されます。
 
一方で、Hwさんご指摘のように、待機児童問題は、ほぼ「都市部の0～2歳児」の問題です。だとすれば、Jerrybさんのように、「保育園の重点整備に注力してほしい」というご意見もごもっともです。
 
今回の「総合こども園」創設の背景には、「すべての子どもの健やかな育ちを社会全体で支えるため、質の高い学校教育と保育を一体的に提供する」という理念と、働く母親が増える中で「（定員に余裕のある）幼稚園を活用して保育所の不足を補おう」という現実的な要請とがあったと思います。
 
まずは「幼保一体化」の理念について。優太のママのあきさんのように「保育に欠ける場合」という保育所に預けるための要件や、母親が働いていると幼稚園（学校教育法上の「学校」です）に入れられないことに違和感を持ったことのある方は少なくないのではないかと思います。私自身、長女が認可外の株式会社の保育所、次女～四女が近所の公立保育園にお世話になって、しつけから集団行動まで「教育」も十分にしていただいたと思っていますが、「母親が働いていても教育を受けさせられる」ことが“制度的”に担保されれば、これまで何となく心に引っかかっていた罪悪感のようなものがなくなります。
 
待機児童対策としては、Aiさんのように「3歳未満の子どもの受入れ義務がない（待機児童対策としては不十分ではないか）」と思われる方もいらっしゃると思います。これは、従来3～5歳児を対象としてきた幼稚園などにも一律に義務付けると対応が難しい、といった事情に配慮し、「財政的なインセンティブ等で受入れを増やしていく」ということになったものです。
 
3匹の怪獣さん、asuka0921さん、るんこさん、tarbaganさんから、「保育の質」が重要とのご意見をいただきました。「総合こども園」の認可については、現行の保育所と幼稚園の認可基準を「併せ持つ基準」を適用して、質の高い学校教育・保育を保障する方向です。
 
「総合こども園」から少し話がそれますが、どろまりさんのご意見について一言。今回の「新システム」では、多様な事業主体の保育事業への参入を促進するため、従来の認可外施設についても一定の基準を満たせば「こども園」として指定し、国からの補助を入れることとしています。指定基準の具体的内容はこれから検討されますが、都市部を中心として待機児童対策に貢献されてきた認可外施設の方に対して、一定の質を保証しつつ門戸が開かれるようなものにしていくことが重要だと思います。
 
子育て支援を量的にも質的にも拡充するため、「新システム」には、保育所・幼稚園等への従来の予算に加え、消費税率の引き上げによって得られる財源のうち約7000億円（その他の財源も加えて1兆円程度）を充てよう、ということになっています。
 
貴重な財源を、未来を担う子どもたちのために有効に活用するためには、量的拡充と質的拡充のバランスを図りつつ、「総合こども園」の制度をどのようなものにしていったらよいとお考えでしょうか。
 
YES、NO、どちらの方も、「総合こども園」あるいはもう少し広げて「新システム」についてのご質問も含めて、ご意見をいただけたら幸いです。
 
どうぞよろしくお願いいたします。

• 2012.03.21
• 坂本　里和 経済産業省経済産業政策局経済社会政策室企画調査官