働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3087 開催期間 2011年03月28日- 04月04日
私は、23日の早朝から25日の夕刻まで、被災地の避難所を中心に見て歩きました。被災者のために「何ができるか、何をなすべきか」を探って、今後の支援につなげたいという思いからでした。何処までも続く瓦礫の山、隅々から聞こえる悲痛の叫び、被災地の悲惨な現状に言葉がありませんでした。被災者のみなさんは、喪失感と絶望感そして孤立感に打ちひしがれ、過酷な環境ゆえに襲ってくる病魔と必死に闘っておられました。 さて、避難所のあり方を考える前に、みなさんにお願いです。この被災者の悲痛な叫びに耳を傾け、出来る可能な限りの支援を、被災者に避難所に届けてください。お金を届けてください、生活に欠かせない物資を届けてください。そして何よりも、被災者を思いやる心を届けてください。さらに出来れば、被災者の手を強く握るために、避難所に足を運んでください。 本題に戻ります。今日は、避難所の立地や設置のあり方について議論をしたいと思います。避難所の設置のあり方を考える時に、避難所に求められる機能や要件を確認しておく必要があります。避難所は、いうまでもなく危機を回避するための場所です。それに加えて、心身の傷を癒しつつ再生への英気を養うための場所でもあります。つまり、安全性と回復性がともに要求されるということです。 安全性ということでは、今回の災害で、避難所がヘドロの海になった、避難所で多くの人が死亡したということに、留意しなければなりません。地震の火災からの安全性だけでなく、洪水や津波に対する安全性、土砂災害や地滑りへの安全性も考えておく必要があるでしょう。みなさんの地域の避難所が、この安全性の要件を満足しているかどうか、チェックしてみてください。 ところで、安全のチェックで見逃せないのは、避難所に行くまでの経路の安全性です。避難所までとても遠い、高齢者などがたどりつけない、といった問題を抱えているところが少なくありません。「遠い」という問題では、公民館やお寺などできるだけ身近なところに避難所を設けることも、考えなければなりません。 回復性というところでは、プライバシーがあって心が休まる、医療や看護などのケアが得られる、といったことが欠かせません。このためには、避難所が十分な広さを持っている、生活に欠かせない装備があるといったことが、要件となります。今回の災害で、保養施設や健康センターなどが避難所として高く評価されているのは、生活の場としての条件が優れているからです。 以上の危険回避のために身近なところという要件と健康回復のために快適なところという要件を共に満足するためには、避難所を「回避の場」としての避難所と「生活の場」としての避難所を区別して設置するのがよいと、私は考えています。何が何でも小学校なのか、今一度考えてみてください。 さて次は、避難所の暖房の問題やトイレの問題など、避難所の環境や装備について考えます。みなさんの提案をお寄せください。
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.