イー・ウーマン（ewoman）

日本の平和は沖縄が礎になった（はしけん・宮崎県・55）

小学校の教員をしています。毎年、6月になると全校が見れる形で校内に戦争に纏わる展示をしています。その中で沖縄の平和の詩、様々な戦争の資料、地元に残る戦争遺品、遺物を児童に触れられるようにし、戦争とは何か、平和とは何か。そんな中で、沖縄の歴史を知らずして「戦争は悲惨だ」「反対だ」と声を上げることに大きな意味はないと思っています。まだまだ全てを私自身見聞きした訳ではありませんが、被爆の歴史と同様に伝え、残していくべきものだと思います。

命は平等（Achiko・神奈川県・48）

沖縄の方々の主張は、今も昔も一貫していると思う。命はイデオロギー、敵味方の別なく皆平等ということだ。戦後、人々は南部に散乱する遺体や遺骨を友軍、連合軍、民間人の別なく丁重に葬った。米軍占領下で人権軽視の事件、事故が起きた際も命の不平等な扱いを抗議した。遺骨探しをする具志堅さんの「遺骨は遺族に返すもの。死者に敬意を」というメッセージもイデオロギーを超えたものだ。沖縄をイデオロギーではなく命の平等という視点から考え続けることが、私にとっての宿題だと考える。

事実を見て、手を合わせること（nekosaurus・愛知県・52）

神社をパワースポットと呼ぶように、沖縄をリゾート地とするイメージ戦略は謀りだと認識し、戦時下での残虐性から目を背けず沖縄で起こった事実を見る覚悟を持ち、戦火に散った御霊をせめて慰霊の日だけでも慰撫し続けることしかできません。

安穏の背景（真打ち・栃木県・51）

本土の平和は、沖縄の人々の犠牲によってもたらされたと言っても過言でないにも拘らず、私には沖縄県民への敬意が余り感じられないと思えてならない。観光立県としても名高く、修学旅行生は悲惨な事実を学ぶ機会もあるようだが、家族旅行などでも現地で肌で感じながら『決して他人事ではなかった戦争』と、自分の環境が現在に至るまでの背景を、照らし合わせてはどうだろう。私の祖父は戦死で遺骨がない。拾えるものなら、80年以上経った今でも飛んで行って胸に抱きたい気持ちだ。

後世に伝え残していくことが使命（まうやん・東京都・50）

沖縄戦ではありませんが、私の曾祖父母は広島原爆を体験し、その状況を手記に残してくれていたそうです。祖父は軍人だったので自分が見た広島の悲惨さを書き添えて、曾祖父の手記を解説しつつ私たち孫に伝えてくれました。おそらく、沖縄にもそんな方がたくさんいると思います。戦争を知る高齢者の方々が少しでも話し、伝えてくれるのなら、それを後世に伝えていくこと、それが私たちの使命ではないでしょうか。沖縄にある戦争の爪痕も絶対になくしてはならないと思います。

文学だとハードルが低くなる（cheetan・千葉県・52）

私の沖縄戦に関する知識は、灰谷健次郎の『太陽の子』と真藤順丈の『宝島』がほぼすべてですが、心に深く刻まれています。証言はあまりに重く感じられる人には、文学だと少し近づきやすくなるのではないでしょうか。そうして記憶することが大切だと感じます。10年ほど前、那覇へ出張で行って乗ったタクシーの運転手さんが「この前の戦争があった場所」と教えてくださった言葉が耳から離れません。「この前」の出来事なのだと衝撃を受けました。

「知ること」から（ki-yo・福岡県・52）

まずは「知ること」から始めなければならないと思いました。正しく知る。そして、自分が出来ることを考える。それを実行する。多様性もマネジメントも歴史も、すべて「知ること」からしか始まらないと改めて思いました。

正確な日にちは知りませんでした（Akie・神奈川県・51）

沖縄には実は一度も行ったことがありませんが、私にとって沖縄とは戦争そのもであり、リゾート地として訪れる対象として捉えることができません。横須賀市や相模原市に住んだことがあり、米軍基地等がすぐ近くにある環境を経験しました。その何倍もの負担を沖縄に負わせていることをとても心苦しく思っています。今年から忘れないように、「アクションプランナー」手帳にも記載しました。

毎年観ているのに（おがわ・東京都・58）

毎年TVで観ていてその時はわかったつもりでいたにも関わらず、「慰霊の日」と呼ばれることや日にちは覚えていませんでした。自分ができることとして、まずは沖縄戦の壮絶さ、およびそこから現在に至るまでの沖縄の現状について知り、それを周りとも共有するところから始めたいと思います。

　自分ができること、という問いかけに、皆さんから真摯な投稿をいただきました。「『知ること』から始めなければならないと思いました」（ki-yoさん）「文学だとハードルが低くなる」（cheetanさん）、「後世に伝え残していくことが使命」（まうやんさん）。「校内に戦争に纏わる展示をしています」（はしけんさん）。
　
　「慰霊の日」に接し、思いました。自決した牛島満中将は、どんな思いで今の沖縄をみているだろうか、と。レッズさんが会議3日目の投稿に書かれたように、牛島中将は「沖縄県民斯ク戦ヘリ　県民ニ対シ後生特別ノゴ高配ヲ賜ランコトヲ」との電文を死の直前、大本営におくりました。
沖縄の人たちは本土を守る戦いで多大な犠牲を払った、このことを十分配慮し沖縄の人々に報いてください、という遺言でした。
沖縄の人は、どのような「ご高配」を賜ったのか？
 
　米軍基地だけが問題ではないでしょう。沖縄の民意があまりにも軽視されている。「本土政府に対し諦めにも似た感情が広がっている」と沖縄の友人はいいます。「返せ沖縄」という反基地闘争の歌があります。「沖縄を返せ」と繰り返す歌詞の最後を「沖縄を返せ、沖縄に返せ」へと歌う動きがある。沖縄を沖縄に帰す。つまり独立？。
 
　もともと琉球王国でした。薩摩藩の支配下になり、明治になって日本に組み入れられた、という歴史があります。
 
　住民投票で「辺野古基地反対」が圧勝しても、知事選や国政選挙で県民の意思を表しても、本土政府は対話の姿勢さえ見せず、力でねじ伏せようとする。本土の人の関心も薄いなら「もう独立しかない」という気持ちが出始めているというのです。
 
　現実を見れば「独立」は夢物語でしょうが、そう思いたくなる県民感情にどう向きあえばいいのか。
 
　朝のNHKで、日本テレビの社長が北海道アイヌ協会に出て謝罪した、というニュースが流れました。アイヌに対する無知が差別発言を産んだことへの謝罪でした。アイヌと沖縄、通ずるところがある課題です。無知は人を傷つけ、差別につながる事例がここにもあった。
 
　今日の投稿を読み、改めて思いました。もっとよく沖縄を知ること、周りの人にも知ってもらうこと。私たちにできることの出発点はここある。目を凝らせば、「沖縄」や「アイヌ」を伝える活動はあちこちにあります。足を運んでみる。頑張っている人に接し、励ます。友人に紹介する。そんな中で貴方にも何かが熟成されてゆくのではないでしょうか。
 
　慰霊の日について1週間、皆さんと一緒に考えることがでました。ありがとうございました。犠牲者の追悼とともに、沖縄の悲劇は過去のことだけではない現実に目を向けたいと思います。

★山田議長の過去の円卓会議より

・沖縄の民意。活かす方法はあると思いますか？ 

・本土の人は、沖縄に冷淡だと思いますか？ 

・普通の人が政治家になるには障害が多すぎる、と思いますか？ 

• 2021.06.25
• 山田厚史 ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員