イー・ウーマン（ewoman）

研究職で論文と特許の姓が異なる（ゆりえってぃ・奈良県・28）

私は研究職の仕事をしています。結婚後、会社での通称や学術論文・学会発表は学生の時と同じ旧姓を使用することを選択しましたが、特許出願においては変更後の姓しか認められないため、私の研究成果は旧姓と変更後の姓が混在している状態になっています。また過去に出願している特許は姓を変更した後も旧姓のまま変わらないので、第三者には私の旧姓と変更後の姓を両方検索されないと私の成果が伝わりません。不便です。

ビザ申請など（Penguin・海外・その他・41）

結婚当時、労働ビザの許可をやっと得て、ビザスタンプを申請しなくてはならなかったのですが、まずは婚姻届を在外公館に出し、本籍地で戸籍に入ってからパスポートを作り替えるか、姓の変更を追記・・・と長く時間のかかるプロセスを得ないと新しい名前でビザを取れないことが分かりました。結局は旧姓のままビザを取り、名前のズレを抱えて過ごすことになりました。名字を変えるかどうかの選択に加え、変える時も結婚した時だけではなくて、その後でも変えられるといいなと思います。

よくぞ聞いてくださいました(涙（まゆみｔｍ・東京都・51）

45歳での結婚では生活の場が広がっており変更対象が非常に多く、銀行クレカ、住居・公共・通信に加えネットショップなど全オンラインアカウント等きりなく延々100近くに及び、手間と時間の消耗に気が遠くなった。仕事は旧姓で通した結果、各種書類、海外出張のチケットやホテル手配でいちいち説明が必要だったり手違いが生じたり。ついに根負けして転職を機に戸籍名に切り替えた。さらに、たとえばSNSで「誰？」とビックリされないよう、可能な所では戸籍姓+旧姓＋名前を併記している。

国家資格の名前も旧姓を使いたい（みもざ・神奈川県・52）

独身時に国家資格を取得し独立。屋号は自分の名前のため結婚後もそのまま旧姓を使用しています。事実婚でしたが出産を機に入籍。国家資格には戸籍掲載が必要だったため資格免許証の名前を変えました。私の仕事は、お客様との契約時に資格免許証を提示する必要があり、すべての書類にも資格名を書くため、毎度「同一人物ですので」と、お断りを入れて説明しています。役所からの電話も「どちらのお名前で掛けたらいいですか？」と、周りに不便を掛けているので、夫婦別姓の実現を切に望みます。

いつまで事実婚（SallyChan・東京都・50）

運転免許証、パスポート、クレジットカード、銀行口座はもちろん仕事の取引先等、非常に変更が多くなるため、名字を変えることは困難です。夫の仕事は屋号が名字のためこちらの籍に入れるわけにもまいりません。いまだ事実婚、いつまで続くのかという思いです。冠婚葬祭に出席する分には問題はないですが、歳を重ねるにつれ、急な病気や名義の問題、それこそ葬儀のことなどこれからの不安は尽きません。男女が同一の権利ということであればまず別姓が認められなければならないと思います。

海外では名前が変わると別人に。（marco302・海外・その他・49）

ものすごい不便を経験しました。海外駐在中に結婚、当時は旧姓併記の制度がなく、ちょうど有効期限も切れるタイミングだったので氏名変更せずにパスポートを新たに取得しました。その後、現在現地法人代表をしているため氏名の変更を申し出たのですが、パスポートに氏名変更履歴がないため全くの別人と認識されてしまうことに。そこからが困難の始まり。お役人に日本の制度を理解してもらい、同人物であることを証明するための書類収集、公式書類への氏名変更まで3カ月かかりました。

業績が失われる可能性がある（かすが・神奈川県・56）

名字が変わって不便な点は、細かくは、銀行、各種免許などの名義を全て変更しなければならないこと。役所や事務所等に出向き、変更手続きを行う必要があり、休暇を取って手続きをする必要があり、非生産的である。また研究や業務業績の蓄積が必要な職種では、名字が変わることにより、同一人物かどうかを明示したり証明したりする必要がある。それらの証明ができない場合は、それまでの業績が失われることにもなりかねない。これはキャリア形成や実績上、大きな損失である。

私を証明するものがない！？（yonesuke・愛知県・43）

結婚して16年。独身時代の銀行口座を放置していたのを見つけました。解約しようと店舗に出向くと「本人確認書類を提示してください」。免許証を出すと、「これは新姓なのでこれでは確認できません。旧姓がこの姓だった、と証明できるものが必要です。もう休眠口座に入っているので、ATMも使用できません」と。旧姓を証明するためには戸籍謄本を取り寄せる必要があります。私のお金なのに。暗証番号も覚えているのに、引き出せないんだと思わず笑ってしまった出来事です。

名前は単なる記号（ＩＰウーマン・東京都・51）

名前が変わって便利だと思ったことはないが、公的機関や銀行で氏名変更手続きが面倒だったくらいで、特に不便だと思ったこともないのでNoとした。名前は記号に過ぎないし、実家の姓に思い入れもない。周囲の人は、現在の知人は現在の姓で私を呼び、昔からの知人は旧姓で呼ぶ。こちらで適当に対応している。なお、SNSを旧姓でやっていると、現在の知人から探し当てられないので気楽である。私自身は、姓が同じでも違っても家族は家族だと考えており、同一姓に拘る必要はないと思う。

たくさんの投稿、ありがとうございます。
「不便ですか」と質問をしたところ、92%が不便と回答。たくさんの悲鳴が聞こえてきました。
 
研究職のゆりえってぃさんの
・「特許出願が変更後の姓しか認められない」「また過去に出願している特許は姓を変更した後も旧姓のまま変わらない」という不便。みもざさんからも、
・「国家資格には戸籍掲載が必要」「お客様との契約時に資格免許証を提示する必要があり、すべての書類にも資格名を書くため、毎度「同一人物ですので」と、お断りを入れて説明」。かすがさんも、
・「研究や業務業績の蓄積が必要な職種」にとっては「大きな損失」。
 
研究論文や特許、国家資格などで、同一人物とみなされない、または、相手が自分を見つけられないという不便は、不便を超えて「経済的な損失」につながっていることを指摘されています。
 
海外のPenguinさんの
・「婚姻届を在外公館に出し、本籍地で戸籍に入ってからパスポートを作り替えるか、姓の変更を追記・・・と長く時間のかかるプロセス」の不便。やはり海外のmarco302・さんも「ものすごい不便を経験しました」とのこと。
・「（海外の）お役人に日本の制度を理解してもらい、同人物であることを証明するための書類収集、公式書類への氏名変更まで3カ月かかりました」
 
「よくぞ聞いてくださいました(涙」というまゆみtmさんは「生活の場が広がっている」と手続きが増えて「延々100近く」。
 
また、Yonesukeさんの話は、結婚して名字を変えた人誰もが何度かは体験したことがあることでしょうね。「旧姓がこの姓だった、と証明できるものが必要」。そして、SallyChanさんは、「あまりの面倒から名字を変えないために「いまだ事実婚」。
 
「名字を変えるかどうかの選択に加え、変える時も結婚した時だけではなくて、その後でも変えられるといい」「国家資格の名前も旧姓を使いたい」などの苦しい実情が見えてきます。それでは、これを改革するにはどうしたらいいか。河野太郎大臣には「名字が変わった時にやらねばならないこと」のリストを提出したいと思います。不便や苦労は、体験した人にしかわかりません。しかし改革することを明確にしたら、改革に進みます。
 
NoのIPウーマンさんも「変更手続きが面倒」と書かれています。どんな手続きが面倒だったのでしょう。まゆみtmさんも、ご面倒でもぜひ100の具体的なリストが欲しいです。
 
具体的に、どの省庁の何の法律を変えると改革されるかが明確になると、改革できます。法的なことも、会社の中のことも、SNSのことも、なんでも結構ですが、まずは、どの手続きを変える必要があったか、リストしてください。
 
この「働く人の円卓会議」の投稿は230文字限定ですので、読みやすく書いていただき、書ききれないものは、先週金曜日にお送りしているイー・ウーマンピアへの金曜メールの「イー・ウーマン調査」をクリックして、ご回答ください。週末には、大臣にお届けしたいと考えています。
 
「名字が変わると不便なこと、ありますか？」にイエス・ノーの投票をしていただき、大臣に改革していただきやすいように、具体的な「名字が変わった時にやらねばならないこと」のリストを投稿してください。
Yonesukeさんのように、「名字が変わった時」だけでなく、生涯、問われる「旧姓がこの姓だった、と証明」も、具体的に、何をしようとしたときに何を求められたかなど、教えてください。改革しようと思ってくださる人でさえ、「名字が変わった時」だけでなく、「その後も、ずっと」この「証明」をさせられることは想像していないでしょう。
 
「名字が変わった時にやらねばならないこと」の具体的リスト。できれば、それにかかる時間やコストもわかれば、投稿お願いします。

★佐々木議長の過去の円卓会議より

・ダイバーシティインデックス、興味ありますか？

・勉強、続けていますか？ 

・時間管理、できていますか？

• 2020.10.26
• 佐々木かをり 株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長、株式会社ユニカルインターナショナル 代表取締役社長