イー・ウーマン（ewoman）

住宅手当など（unagi・東京都・62）

知人の会社では、同性のパートナーでも家族とみなして、結婚している夫婦を対象としていた住宅手当などの福利厚生が適用されると聞いています。また、以前に東京レインボープライドのイベントに行ったときに、同性パートナーでも家族とみなして住宅ローンが組めるなどの事業を行う企業を目にした記憶があり、こういったことが当たり前になるといいなと思っています。

当然のことを当然するだけ（かどちゃん・兵庫県・30）

レズビアン当事者で自治体のパートナー宣誓をした者ですが、「企業に求められる対応を知っているか」と問われると、正解（？）はわかりませんでした。が、各企業で異性愛カップル（とその結果により生じた家族）に提供しているサービスを、当然提供するだけかと。例えば社内のことなら、男女が入籍したときに会社から受けられる福利厚生、一般消費者に向けたサービスなら家族割など。これまで対象から外していたこと自体が問題なのであって、同じサービスを同じように適用すればいいだけです。

あらゆる規定で性差がないか（Jerryb・東京都・55）

会社の中で言えば、住宅手当や社宅、家族手当などのいろいろな規定が性別で制限されていないか再度見直しが必要だと思いました。パートナーシップを公的な第三者が証明する仕組みはよいことだと思います。だからといって、「通称があれば選択的夫婦別姓はなくていいでしょ？」みたいに、法律が変わらなくてよいことにはならないようにしてほしいです。

自分の会社は？（おがわ・東京都・59）

自分の会社では聞いたことがなく、想像の範疇を超えないため「No」としましたが、企業に求められるのは、「（いわゆる）配偶者がいる従業員」としての対応だと思います。例えば、結婚、配偶者出産、介護などに伴う休暇、パートナーが主な育児を担っている場合の育児休暇、家族社宅補助、単身赴任手当などの制度が挙げられます。利用にあたっては、証明書を発行している自治体に住んでいない場合、どのようにして「結婚に相当する関係」として証明できるのか、が気になりました。

家族手当（DiamondBar・東京都・53）

パートナーシップ宣言制度が渋谷区に始まり東京都全体に拡大したのは報道で知っていましたが、うちの会社では話題になっておらず、企業が自分にかかわることという認識を持っているケースは少ないと思っています。思いつくのは家族手当と住宅補助。もう15年前の話ですが、オーストラリアの銀行に勤めるオーストラリア人と同棲していた友人は、何の証明書もなく本人の申告だけで家族手当や家族がいる前提での住宅手当が出ていたようです。この制度で家族の定義を広げる対応が必要かと思います。

社宅と単身赴任手当（やっちゃん２４・大阪府・54）

私は会社の福利厚生をあまり利用していないので、イメージしづらいですが、浮かぶのは、社宅の利用と単身赴任手当です。社宅は単身用とファミリー用があるので、パートナーシップ宣誓をされた方はファミリー用に入居できるようにする。単身赴任手当は、例えば特別養子縁組で子育てをしている期間に、どちらかが単身赴任する必要が発生した際、帯同できない場合に単身赴任手当を支給する。この2点は活用できると生活しやすいのではと考えます。

福利厚生が受けられること（シンゴパパ・静岡県・55）

パートナーがいることで得られる福利厚生が受けられることが必要だと思います。家族が病気の時やワクチンなどの予防接種に伴う看護や介護に伴う休暇取得などが真っ先に考えられますが、それ以外にも配偶者の家族に関する忌引き等の休暇、税控除や厚生年金、健康保険の扶養対象になることも大切なことだと思います。

求められる対応がなくなる日（HARUMA・福岡県・60）

具体的な企業の対応は知らないが、一般社会として、同性であれ異性であれ、パートナーとして認識されれば「企業に求められる対応」も必要なくなり、特別な制度を設ける必要もなくなる。そういった日々が1日も早く来ればいいと思う。福岡県では今年、パートナーシップ宣誓制度がスタートした。福岡市ではひと足早く平成30年に導入された。その後も子どもの名前の記載が可能になったりと少しずつ前進している。ただ、夫婦別姓同様、伝統的な考え方を払拭できない人も多く、前途多難に感じる。

婚姻関係相当での扱いを（地球交響曲・大阪府・45）

どうも政府は、一部勢力の影響で同性婚否定の立場の人がいるみたいなので、まだ婚姻関係を認めるというのは法的には難しい状態なのかなとは思いますが、企業においては異性のカップル同様のサポートと、差別が確認されたらした側へのイエローカード発行をし注意喚起、もう一度したら一定期間減給とか（法的に認められるか微妙ですが）の罰則で同性カップルも守る姿勢というのがあれば良いなと思います。

わからない（パフィンドーナッツ・埼玉県・53）

LGBTQについて見聞きしていますが、改めて今回の問いを受けて他人事としてしか考えていなかったのだということを実感いたしました。正直、どのように対応したらよいのかわかりません。円卓会議を通じて学ばせて頂きたいと思います。

1日目の投票、ありがとうございました！NOがYESを大きく上回る結果となりましたが、コメントでは重要なポイントをたくさんご指摘いただきました。
 
YESに投票されたunagiさんは、お知り合いの事例を共有してくださいました。「知人の会社では、同性のパートナーでも家族とみなして、結婚している夫婦を対象としていた住宅手当などの福利厚生が適用される」とのこと。unagiさんの知人がお勤めの企業のように、法律上同性のパートナーを配偶者と同様に扱う事業者は増えてきています。東京都パートナーシップ宣誓制度でも、企業における活用例として「パートナーシップ関係にある社員に、配偶者を対象としていた福利厚生が適用される」と紹介しています。
 
性的マイノリティに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideでは、LGBTQ+の人たちが働きやすい職場づくりに向けた事業者の取り組みを評価する「PRIDE指標」を策定しています。2022年度版の指標では、人事制度・プログラムが評価項目の1つとなっており、同性パートナーがいる従業員向けの具体的な施策として下記が挙げられています。
（1） 休暇・休職（結婚、出産、育児（パートナーの子も含む）、家族の看護、介護（パートナーおよびパートナーの家族も含む）等）。
（2） 支給金（慶事祝い金、弔事見舞金、出産祝い金、家族手当、家賃補助等）。
（3） 赴任（赴任手当、移転費、赴任休暇、語学学習補助等）。
（4） その他福利厚生（社宅、ファミリーデー、家族割、保養所等）。
（5） 会社独自の遺族年金、団体生命保険の受け取り人に同性パートナーを指定できる。
 
Jerryb さん、おがわさん、DiamondBarさん、やっちゃん２４さん、シンゴパパさんらがコメントしてくださった内容と一致するものが多くありますね。とはいえ、手当や休暇などは企業に裁量がある一方で、配偶者控除のような税制上の措置は同性パートナーには適応されないことにも触れておきたいと思います。相続税の税額軽減や配偶者ビザの発行など、パートナーシップ宣誓制度ではカバーできないことが多々あります。だからこそ、どれほど多くの自治体で制度が導入されたとしても、同性婚の法制化（婚姻の平等）の実現が必要なのです。
 
また、おがわさんからは、「証明書を発行している自治体に住んでいない場合、どのようにして『結婚に相当する関係』として証明できるのか」という疑問をお寄せいただきました。たしかに、パートナーシップ制度がまだ整備されていない自治体もあれば、転勤などで引っ越した先に制度があるとも限りません。
 
こうした問題を解決するために、ブロックチェーン技術を使って、居住地に関わらず取得・利用できるパートナーシップ証明書を発行する、Famiee（ファミー）という民間団体も存在します。このサービスを受け入れている事業者では、自治体が発行する証明書の代わりにFamieeの「同性向けパートナーシップ証明書」を提示することで、配偶者と同様の福利厚生（慶弔休暇・介護休暇・家族手当など）を受けることができます。他には、企業独自のフォーマットの書類によって対応する企業もあります。
 
かどちゃんさんは、人事制度や福利厚生などに加え、事業面での対応についてもコメントをくださいました。「各企業で異性愛カップル（とその結果により生じた家族）に提供しているサービスを、当然提供するだけ」という考え方が、企業が対応を考える際のコアになると思います。
 
では、法律上の性別が同性同士のパートナーシップ関係にあるお客さまに向けて、企業は具体的にどのような対応ができるでしょうか？ どのような商品やサービスの提供が考えられますか？ 接客などソフト面での対応もあるかもしれませんね。日々の生活の中で見聞きされたものでも、こんな対応が必要では？というご提案でも結構です。みなさんのご意見をお待ちしています！


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• 2022.11.14
• 中川紗佑里 電通／電通ダイバーシティ・ラボ　DEIコンサルタント