イー・ウーマン（ewoman）

生活スタイルを選べること（2kishir0・東京都・31）

東京に暮らしていると人口減とは無縁に思えるが、今回の議長の記事を拝読すると地方の人口減少は喫緊の課題なのだと改めて思い知らされた。コロナ禍によるテレワーク等がもっと促進され、都会に縛られない働き方・生き方ができるようになればいいと思う。先日、同僚が今後もテレワークは続くと判断し、ゴルフ好きが高じて地方に引っ越した。このように色々な生活スタイルが広がれば若い世代も地方へ目を向けていくように思う。

魅力・安全・安心（サチコ・42）

水や食料の備蓄等、個人で出来ることはするように心がけています。実家がある千葉県沿岸部は、10年前の震災で津波被害がありました。帰省して目にするのは、防潮堤は出来ているものの、沿岸部は更地のままという景色です。この10年間で人口5,000人減（約70,000人→約65,000人）。人を呼び込む、集めるには、やはりそこに「魅力があること」、そして「安全・安心があること」。テレワークで地方移住の魅力も取り上げられる昨今、これらを感じられる発信を期待します。

安心して居住できる環境が必要（やっちゃん２４・大阪府・52）

人口減少の原因は、その地に住めないことと高齢に伴う自然減があると思う。前者は再度被災の恐れ、被災、復興遅延に伴う失職、辛い思い出に耐えられない等が思い浮かぶが、結局安心して住めないことに尽きると思う。私は南海トラフを想定し、住宅ローンや被災住宅の負債を負いたくないため持ち家から賃貸に引っ越しした方がいいのかと迷っている。インフラが整備され、雇用が安定し食住に困らず安心して居住できる環境があれば人口減は食い止められると考える。

自然資本を活かした地域づくり（いぬいるか・東京都・61）

人口減少を防ぐには「産業＝働く場」をつくることが不可欠。東北地方にある豊かな自然資源を生かして水産業とともに林業や農業を再活性化し、宮古市のように自然エネルギー産業を推進し、人もお金もエネルギーも「地域内で循環」させる仕組みをつくる。それによって働く場ができ、大都市圏とは違った働き方ができ、新しい豊かさが生まれると思います。自然資本を活かしたグリーンリカバリーを東北から！

国策と税収（真打ち・栃木県・51）

ご紹介のあった『情報屋台』を拝読させて頂いたが、「自分なら、被災した地に定住し続けるだろうか」と、即答できない思いが湧いてきた。安心して暮らす為には、今後も様々な整備費用が必要だろう。国策での大きな柱として、記事の中で水産加工業経営者の方が仰ったように、手数料に苦慮することなく利益の見込める販売網としても、『ネット上のバーチャルな物産館』の整備が出来ないものだろうか。税収により安全環境が更に整うことは、定住の後押しにも繋がるものと、私は思う。

被災地だけの問題ではない（DiamondBar・東京都・52）

祖父母の家があり親戚も住んでいる地方は人口減少と高齢化が著しく、病院に行く際も老人が老人を連れて行かなければならない状況だ。災害発生の時の避難がスムーズにできるか不安がある。道路や橋のインフラも整備が追い付いていない。被災地よりも予算がない。移民などで日本の人口を増やしても、このような田舎に人が来るとは思えず、自治体と住民が一緒に街をコンパクトにしていくしかないかと考えている。

日本のシリコンバレー化（marco302・海外・その他・49）

広大な土地が人口減少により荒れ果て、野生動物が闊歩する姿を映像で見ています。放射能の危険はまだあるのでしょうが、野生動物が生きられる程度の環境になってきたということ。そこで、日本のシリコンバレー化を目指してはいかがでしょうか。ワークフロムホームが生活に定着してきている一方、IT企業は土地を買い占めている。多様性は交流しなけば意味がないと考えれば、交流する場所は必要となるはず。と、IT産業に明るくないのですがいかがでしょうか。

生産者が主導の物産館を（unagi・東京都・60）

自然減を抑えることが難しいのは、被災地に限らず全国の地方でも同じだと思うので、被災地での取り組みが功を奏すれば、とても良いモデルケースになると考えます。プラットフォーマーが吸い上げない応援消費の形、議長の記事にあったネット上のバーチャルな物産館を、復興費用で実現してほしいです。生産者が自由に発信できる今の時代、「ネット通販は手数料が高いので、ほとんど利益が残らなかった」という悲しい結果にはならない仕組みをつくることは可能だと思います。

誇りの持てる地域になれば（blueberry53・大阪府・64）

全国的な人口減少の中、他と異なる策が求められると思います。例えば、他の地域ができない自由に色々なことができる特区のような場所にする。具体的には、既計画のスマートシティとは異なったコンセプトの実験場、農産物などの新しい品種の総合実験場、実験・開発製品の試験場などから新規ビジネスのチャレンジの場とするなど何でもチャレンジできる地域になることも一つかと思います。勝手な構想ですが、復興に止まらず、創造の場として発展し、地元に誇りが生まれればと願っています。

特別扱いは被災地にとっても不幸（YOHEI・東京都・36）

被災地を特別扱いすることは、被災地にとっても不幸に繋がると思います。環境や立地条件により、ビジネスや人口が集まらない場所は出てきます。理念や思いで頑張っても、現実は動きません。被災地の利を生かすとか、中核市に集中してスマートシティを創るとか、経済合理的な展開を目指すことが必要だと思います。

被災地が抱える人口減少という課題にどう応えるか、「2kishir0」さんと「サチコ」さんからは、テレワークというキーワードが出てきました。大都市に住む人たちにとって地方は帰省したり、観光したりする場所でしたが、テレワークという仕事の仕方は、地方に新しい可能性を示していると思います。
 
家賃が安い、新鮮な食べ物がたくさんある、水も空気もおいしい、人々が人情に厚い。テレワークが定着し、ときどき出かける大都市へのアクセスが良ければ、流入人口がふえ、人口減少も抑えられるかもしれません。
 
「やっちゃん２４」さんもインフラ整備と安定した雇用があれば「人口減は食い止められる」と言います。雇用を安定させる産業を東北の被災地にどう作るか、「いぬいるか」さんは「東北地方にある豊かな自然資源を生かして、水産業とともに林業や農業を再活性化」することを提案しています。「自然資本を活かしたグリーンリカバリーを東北から！」を復興のスローガンにしたいですね。
 
「marco302」さんは「日本のシリコンバレー化を目指しては」という提案です。さまざまな分野でイノベーションを追求している人たちが集う場所があれば、そこからいろいろな企業や産業が育っていく可能性が生まれます。「真打ち」さんには「ネット上のバーチャルな物産館」という私のアイデアに賛同していただいたようですが、この10年間で進歩したITは被災地の「創造的復興」の可能性を広げていると思います。
 
「blueberry53」さんは「既計画のスマートシティとは異なったコンセプトの実験場、農産物などの新しい品種の総合実験場、実験・開発製品の試験場など」、実験場をつくるというアイデアです。「YOHEI」さんは、被災地を特別扱いするのではなく、「被災地の利を生かすとか、中核市に集中してスマートシティを創るとか、経済合理的な展開を目指すことが必要」との意見です。土地をかさ上げしたものの入居者の少ない土地、海岸に近く居住禁止になっている場所など、「地の利」を生かせば、「総合実験場」は誘致できそうですね。
 
近代日本は、地方からの人口を都市が吸い上げるなかで、発展をとげてきました。しかし、地球温暖化などによって文明そのものが問われているいま、自然に恵まれた被災地が「地の利」によって、近代の人口移動に逆流をもたらすことになってほしいと期待します。「unagi」さんも「被災地での取り組みが功を奏すれば、とても良いモデルケースになる」と言います。
 
震災の教訓は、自然と向き合い、自然を見直すことだと思います。一週間、震災をめぐり、いろいろなご意見やアイデアをありがとうございました。


★高成田議長の記事もお読みください！
>> 大手メディアが伝えない情報の意味を読み解く 情報屋台「3.11から10年」

★高成田議長の過去の円卓会議より
・アメリカは大丈夫、だと思いますか？
・東日本大震災から4年。風化したのでしょうか？（2015年3月）
・震災復興、進んでいると思いますか？（2011年8月）

• 2021.03.05
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員