イー・ウーマン（ewoman）

緊急サポートセンター（ゆいゆい・埼玉県・47）

小学1年の子どもがインフルエンザにかかり、どうしても休めない日に緊急サポートを利用しました。ファミリーサポートの病児版で、直前の申込みでも対応できる方を探してくれてとても助かりました。ただ、見つかるかどうかは待っているしかなく、見つからない場合の対応を考え、ドキドキでした。なお、インフルエンザでの学級閉鎖の場合、該当クラスの生徒はかかっていなくても公立学童・ファミリーサポートを利用できません。こういう場合の子どものいる場所があると大変助かります。

こどもの入院時に（kyoko004・神奈川県・36）

2人の子どもがおり、両実家が遠方で、主人は海外駐在中です。私自身はフルタイム勤務でこれまで特に問題無くやってこれましたが、去年、下の子が1週間入院が必要となった時、「付き添いが必要、きょうだいは病棟へ入ることはできない」と言われ途方に暮れました。突然の事にママ友と入院切り上げで乗り切りましたが、きょうだいの入院時に困る方が多いと聞きました。病院によっては柔軟に対応いただけるところもあると聞きましたが、その様な配慮をしていただける病院が増えればと思います。

子育て以外の問題との関連（hiro2・55）

約20年前から数年間、週2、3回お願いしていました。産休前にシッター会社を訪ねたり経営者の方に自宅に来ていただいたり、それでもどこに預けるのか決めるのに勇気がいりました。でも、当時の私は実績のある預け先を選べて、その費用が払えましたし、母や夫の協力もありました。今回の事件の背後には、シングルマザーの貧困や預けたり預かる側の意識の低さ、身近な人との関わりが難しいなど社会全体が抱える問題がたくさんあり、当事者だけのバッシングにできない問題だと思いました。

命を預けるので、慎重で当たり前（イ・モニク・神奈川県・56）

今から20年前ですが、長男が1歳の時にフリーで働いていました。無認可の一時預かり保育所で、面接、入会手続きや用意する物等、面倒くさかったという思いがあります。若かったので、自分勝手で「何でこんなに手続きがあるの？」と不満がありました。が、今となっては、“命を預けるので、お互いに慎重に手続きを進めることは当たり前のことだった”と、納得しています。子育てでは思うように行かないことが沢山ありましたが、そのつど仕事への本気度や忍耐力を試されていたように思います。

育児パートナーとして（めたぼ・大阪府・44）

会社員時代、ベビーシッター補助券（こども未来財団から会社が購入、私が社内で唯一人の利用者）を活用して数年間週１〜２回程度シッターさんをお願いしていました。ベビーシッター会社と契約して、シッターさんが交代で派遣される仕組みです。皆さん社内教育も経験も充分でしたが、それでも１名、私と育児方針が合わず（昔の方法でこちらのリクエスト受け付けず）、翌日会社にクレームを入れて担当から外して頂きました。私にとってはシッターさんは育児パートナーとして協業する存在でした。

保育園や小児科に情報を（Ai・兵庫県・40）

幸い、わたし自身は祖母の協力と会社の理解のおかげで急遽ベビーシッターを探さなくてはならない状況には陥りませんでしたが、身内を頼れない環境の方には必須の情報だと思います。ベビーシッターを頼める団体や企業の情報、そこに登録しているシッターさんの経歴などを一覧にしたものを、保育園や小児科に置いておいてもらえると、働く母としては一番ありがたいのではないでしょうか。

今はNO、未来はYESかも（たろまる・東京都・36）

今は子どもがいないのですが、ほしいと思っています。周りにお願いできる身内もいないので、YES予備軍かも？と思ってます。安全、健康、健全であることは最低条件だと思うので、シッターさんに自分で会い、子どもをみていただく環境を自分の目で見て判断したいです。それも叶わない緊急性の高い状況に直面することもあるかと思います。認証保育園ではないですが、国や自治体が定める認証シッター制みたいな制度があると、一定の条件をクリアしているという安心感をもてるのではないかと思います。

資格より人間性（真打ち・栃木県・44）

ガイドラインの強化が予想されるが、資格を有していなくても誠実に対応してきた人への影響も懸念している。資格は選択基準の大きな柱になる反面、あまり捉われ過ぎては子どもとベビーシッターの相性が見落とされてしまうと私は思う。特に、意思を確認できない年齢の子には、充分な配慮が必要だろう。

信頼関係の育て方に工夫を（blueberry53・大阪府・57）

我が家ではベビーシッターを依頼する機会がなかったので詳しい事情はわかりません。今回の事件で聞こえてくる声は、怖いけど仕方がないという声のように思います。ただ、この問題は、資格があれば安心というよりは、信頼関係の問題と思いますので、地域に応じた信頼関係の育て方として色々な仕組みを考えて行くといいと思います。例えば、高齢の方でも複数の方が参加されるようであれば地域でできる仕組みもあるように思います。

預かる人といかに信頼を築くか（にしひがし・茨城県・42）

アメリカのシッター制のようにある程度ルールを守り、シッター研修を受け、認定書みたいなものがあるといいと思います。そうすれば、預ける側と預かる側の信頼関係が築きやすいのではないか、と思います。病気の時に預かる人、外遊びをさせたい時に預かる人、家で複数で預かる人など、時間や内容を大きく大別してその時々のニーズに対応していくこともいいと思います。

トワイライトステイや宿泊保育（rya・東京都・45）

私も夫も、かなり忙しい部類だと思いますが、自分たちにとって命より大事な子どもたち。怖くて、知らない人に預けようとは思えませんでした。基本は夫婦でやりくりして、深夜・早朝に持ち帰り仕事をして、どうしても夫婦とも遅くなる・出張、というときは、両方の祖父母・兄弟姉妹にお願いして、親族のみで育て上げました。今回の事件で、公が関与したトワイライトステイや宿泊保育の必要性を強く感じました。

「ベビーシッター選び」について、たくさんの体験談やご意見をありがとうございます。
 
「下の子が1週間入院が必要となった時、『付き添いが必要、きょうだいは病棟へ入ることはできない』と言われ途方に暮れた」（kyoko004）、「どうしても休めない日に緊急サポートを利用した」（ゆいゆいさん）と言うように、やはり緊急時の託児対応というのが、大きな問題ですね。もちろん、ママとパパが連携して乗り切れることもありますが、子育てしていると急なアクシデントはつきものです。だからこそ、いざというときのために、ファミリーサポートや病児保育の登録をしておくことをおすすめします。
 
ベビーシッターは無資格でもできますが、「国や自治体が定める認証シッター制みたいな制度」（たろまるさん）という「資格の強化」を望む声も聞かれます。たとえば認定されたベビーシッターであっても、一定期間ごとに研修を受け、それをシッターが開示して、ユーザーが選ぶ基準にするという考え方もあると思います。
カナダでは３人以上の子どもを預かる時にはライセンスが必要で、更新のためのプログラムも受講しなくてはならないと聞きました。
 
ただ、「資格を有していなくても誠実に対応してきた人への影響も懸念」（真打ちさん）というコメントのように、ご近所の預かり合いや、個人シッターさんでもとても誠実に保育して下さっている方の方がむしろ多くいらっしゃるというのが実感です。
 
「資格より人間性」（真打ちさん）、「信頼関係の育て方に工夫を」（blueberry53さん）、「預かる人といかに信頼を築くか」（にしひがしさん）といったように、「信頼」をポイントとするご意見も多く届きました。
 
「私にとってはシッターさんは育児パートナーとして協業する存在」（めたぼさん）というコメントがありましたが、ファミリーサポートの活動でも、お預かりしている時の様子をお伝えしたり、ママの子育ての悩みにアドバイスさせていただくというようなこともあります。ベビーシッターは都合が付かないときに子どもを預ける存在というだけの考え方ではなく、その時間、子育てを親の代わりに担っている存在と考えていただけたらと思っています。
 
イ・モニクさんは保育所の体験談ですが、「命を預けるので……面倒な手続きが当たり前」とおっしゃっています。
 
託児、ベビーシッターというと、どうしても親側の都合や便利さを優先してしまいがちです。ただ、親と離れている時間に、預けられている子どもが「どんな場所で、どのようにシッターさんと関わり、どんな時間を過ごしているのか」を、やはり親として想像力を働かせて欲しい。親が見えない時間だからこその信頼関係。親が子どもを預ける存在として、「信頼関係が築けない相手なら頼まない」という強い意思も、時には必要でしょう。
 
いろいろな制度や仕組みも必要ではありますが、預けられている時間に、子どもが危険な場所にいたり、不適切な保育で不安にさらされていないかという想像力を働かせ、不安ならぜひ確認していただきたいと思います。たとえ忙しくても、面倒でも、ベビーシッターを選ぶ際に、ここは外してはなりません。
 
１週間議論いただきまして、ありがとうございました。体験談も多く寄せていただきまして、これからベビーシッターを探す方にも、参考になるコメントがたくさんあったと思います。どんなに制度を整えても、制度の隙間からこぼれ落ちてしまうこともあります。だからこそ、「子どもの安心・安全を守る最後の砦は親」であることを、改めて心においていただけたらと思っています。


★高祖議長の過去の円卓会議より
・虐待防止推進月間。虐待通報、ためらいますか？
・ママになって、人生の楽しみ増えましたか？
・パパは子育て、してますか？

• 2014.04.04
• 高祖常子 子育てアドバイザー、インターネットサイト「こそだて」編集長、NPO法人児童虐待 防止全国ネットワーク理事