イー・ウーマン（ewoman）

絶対に必要（qyf07416・東京都・43）

所得を正確に把握できなければ、公平に課税することも、適切に社会福祉サービスを供給することもできない。資産、所得、扶養家族等を把握するシステムは絶対に必要である。と言っても、このグローバル社会において、海外の資産などまでは把握できないのではないかと思うが。

オープンな制度（ユズコ・東京都・57）

個人情報という考え方が導入されてから、どこまでが個人情報なのだろうかと考えてきました。ヨーロッパを旅行して驚いたのは、労働管理がICカードで管理されていること。公平を求めるには、公平になるところまで、情報が共有されることなのだろうかと思った。自分のことは、自分で守る時代が来ているのかもしれない。

こうするしかないのかも（nch・神奈川県・48）

どんな対策をとっても、今だに消えた年金等々の問題を抱え込んだまま、あまり進歩しているとは思えない現実。これからのことを考えたときに番号制度を導入する方法が一番シンプルなのかもしれないと思います。

効率的（ラブチャイルド・東京都・44）

番号をつけたほうが処理が効率的なのはあきらかです。しかし、番号づけが目的外に利用される心配があります。電子マネーの番号や町の監視カメラに映る顔画像と結びつけられたらと思うと怖いです。TASPOの情報が警察に流れていた例もありました。今は監視カメラの画像を検索する技術が発達しているので、防犯カメラのついたJRの車両である種の書籍を読んでいたら、その人の情報が集められていた、なんてありそうで怖いです。

複雑……（junet・神奈川県・41）

年金の問題が解決しきれてない今、新しいことを導入して管理しなおしたい気持ちはわからないでもないですが、大丈夫なの？という思いと、何でもかんでもアメリカにならって真似(あるいはアメリカの言うとおりに？)しなくてもいいのでは？と思ってしまいます。あとは国民がきちんとその制度に従いたくなるような説明・解説が必要だと思いますが、ホームレスや所在の定かでない人々はどうするのでしょうか？

1週間にわたり、番号の議論をしてきました。反対論の多くは、プライバシーの観点で、番号による管理の不気味さを指摘する人が多かったようです。
 
では現状はどうなっているでしょうか。たとえば携帯電話のSIMカード番号など、民間の会社で我々個人が特定できる番号が数多く存在しています。個人情報保護の網がかぶせてありますが、不正行為があれば簡単に流出します。
 
そこで、社会保障・税共通番号の導入の際に、プライバシーの問題を権利救済が可能なようにきちんと法律で位置づけ、政府や民間の不正行為を監視する機関も置いて、厳重な対応をするよう政府に求める、そのような手当てを講じつつ、IT社会に不可欠な番号を政府の活動にも導入する、このようなアプローチをとることが望ましいと私は考えています。
 
政府は、今週中にでも、番号制度の導入に向けた中間整理を公表する予定です。その中では、社会保障番号を税務に活用する米国の制度を参考にし、住基ネットを活用した新たな番号を使うことを提言しています。「第三者機関の設置」や個人情報保護のための法律の手当ても行うことを約束しています。
 
今後の日程として、23年1月に 「基本方針」を策定し 、23年3月～4月に「要綱」を策定 、23年6月 に「社会保障・税番号大綱（仮称）」を策定、23年秋以降、可能な限り早期に法案提出する予定としています。
 
「脱税する奴は、日本の道路歩くな。日本の空気も吸うな」。
 
これは、放映中の「情けの女」の中で、主演の米倉涼子が言う決めゼリフです。正確な所得の捕捉、そのために番号を導入する、そしていろいろな社会保障制度をつなげていく、このことは近代国家にとって国家の基盤づくりとも言える仕事ではないでしょうか。
 
いずれにしても、番号の詳細について、早く具体案を国民に示して議論をする必要があるといえましょう。その議論の際に、手を抜かないことが重要だと考えます。

• 2010.12.06
• 森信茂樹 東京財団政策研究所研究主幹、中央大学法科大学院特任 教授