イー・ウーマン（ewoman）

一般道をそれなりに走る（ペネロープ・東京都・有り・44）

大学卒業後から今まで、幸いにも同じ会社で勤務しています。ただ、出産（育児休職）を機に、高速道路から下りて一般道を走っています。高速道路を走る同期達は、随分先に行ってしまいさびしいと思うこともあります。一般道では、ナビはないので、回り道をしたり止まったりアクセル踏んだりしていますが、このような状態で私なりのペースで、走り続けたいと思っています。

やり方と気持ち（あきお・東京都・有り・37）

7年ほど前、子どもを2人抱えての正社員勤務を断念しました。その後、アルバイトや請負などで短い時間で働きました。が、なかなか「正社員じゃない」ということを受け入れられなかったように思います。好きでやってたつもりでしたが。今は自宅で教室を開こうとしているところ。この教室を続けて行くことが目標です。

5年後が想像できない（szkmtk・東京都・30）

メーカー総合職（独身）です。経営企画的な部署ということもあり管理職男性は飲み会やカラオケ、休日ゴルフで関係部署の方とネットワーキングすることが多く、私も2年目に入りお声をかけて頂く機会が増えました。政治は夜決まる、というのを目の当たりにするよい勉強のチャンスと考え極力お供していますが、結婚・子育て中だと今のペースでの付き合いはできなくなると思います。こういう付き合いナシで仕事で成果を出していくことがどの程度可能なのか？　悩みます。

自営業（ハイジュ・山形県・有り・45）

自営業なので、この形で働き続けると思います。「すごく忙しい仕事」ではないけれど、従業員がいない自営業なので、「調整しつつ何でもやる」形態です。出産も育児も、仕事と並行してパラレルで滑っている、そんな感じ。自分個人のキャリアアップにはつながりにくい形態ですが、今できることを手を抜かずに取り組もうと思っています。

エンジン全開のはずが（m yukie・神奈川県・有り・46）

結婚・出産の時期は、夫と双方の両親の協力で、なんとか最低限のエンジン停止状態で働き続けることができました。30代後半から、エンジン全開になりましたが、かなりストレスが溜まる仕事だったこともあり、体調を崩す寸前でまで至りました。運よく4年前、全く異なる分野の仕事に異動しましたが、更年期の始まりもあってか体調はなかなか全快せず、親の介護の時期も重なりました。今は落ち着いて、着実に成果を積み上げていくよう心がけて働いています。

エンジンとアクセルのバランスに（みなエモン・兵庫県・有り・37）

まさに悩んでいます。経営者でもあるので、単に仕事を変える、働き方を変えるといった問題ではありませんが、一方経営者であるメリットとして自分の力で「働きやすい仕組み」を作ることはできるので、そこを模索しているところです。

アクセルを緩められない（要・神奈川県・有り・33）

アクセル全開で働き続けています。体力的や精神的ににしんどいことももちろんありますが、経験を積むにつれて楽しいと思うことが多くなりました。子どもがいたらアクセル全開は無理でしょうから、充実している今の生活を変えることがなかなかできません。もし、一旦アクセルを緩めてその後全開で行えるだろうという恵まれた見通しがあっても、アクセルを緩めること自体が苦痛です。私には、男性はアクセル全開のままで子どもも持てる方が多いように思え、本当に羨ましいです。

子どもとの時間をもっと取りたい（かぶちゃん・愛知県・有り・30）

今の仕事は学習塾の講師です。学習塾は子どもたちの学校が終わってからの仕事がメインですからどうしても帰宅時間が遅くなります。今も自分の子どもともすれ違いになることが多いです。ゆっくり話ができるのは朝と、子どもの帰宅後一時間弱、日曜日の休みぐらいで私自身はそれが歯がゆく思います。他のご家庭の子どもより自分の子どもの話を聞いたり、宿題を見てあげたりすることがしたいので、なるべく早いうちに働き方を変えたいと思っています。

組織にリスクと見なされる（kopanda・東京都・有り・39）

子どもが小１と年中です。時短勤務をしています。私としては会社にいる時間は会社のために費やしたいと思っています。現実は、育休復帰後は部内で最も閑職へ担当替えに。確かに子どもが急に熱を出して休むときは迷惑をかけることが最小限で済みますが、せいぜい1年間に数える程度。あとの全ての日まで余力を持て余す仕事量では物足りなさがあります。会社は急に休まれることをリスクとみなしていると、私には思えます。小学校卒業後にフルタイムとなれば変わるでしょうが……。

介護は間近かも（toko・兵庫県・無し・44）

兄弟に障害をもつ者がおり、現在は母が終日介護をしています。その母も高齢になりいつまで頑張れるかカウントダウンに入ってきた様に思います。介護休職や介護時短の制度が会社では導入されていますが、どちらかMAX1年しか利用出来ません。（育児はどんどん休職も時短も長期化してきていますが……）その時の状態にもよりますが、施設入居か退職し介護をするか選択をする日がきそうです。

「今の働き方、ずっと続けることができますか？」という投げかけに対して、5人に2人が「はい」を選ばれています。

数字だけを見ると、「意外と多いかも…」と思われるかもしれませんね。でも、みなさんのご意見を読むと、「YES」の方でも、そこに至る判断やご苦労があることがわかります。

結婚・出産の時期は、夫と双方の両親の協力で乗り越え、30代後半からエンジン全開に戻ったものの、体調を崩してしまったm yukieさん。更年期や介護も乗り越え、今は落ち着かれたとのこと。よかったですね。

「一般道をそれなりに走る」というペネロープさん、子どもを2人抱えての正社員勤務を断念し「自宅で教室を開く」あきおさん、自営業なので調整しつつ両立しているハイジュさん、みなさん、状況に応じて、柔軟に働き、自分の働くペースを作って来られています。

一方で、「5年後が想像できない」というszkmtkさんのように、これからの働き方に迷いや不安を抱えている方も少なくありません。

「NO」と答えた方の理由は、やはり「子育て」と「介護」が多いですね。もし、男性に同じ問いかけをしたら、どんなパーセンテージになるか、非常に興味深いと思いませんか？

そこで、総務省の「平成21年　労働力調査年報」　の「非労働力人口」の最新データを見てみました。「非労働力人口」とは、 収入になる仕事をしていない人の数です。休業者や完全失業者は除かれます。

平成21年度の「非労働力人口」は、4422万人。
そのうち「就業希望者」は、471万人。
そのうち「家事・育児のため仕事が続けられそうにない」人が、123万人。
そのうち「男性」は1万人、「女性」は、なんと122万人です。

男女雇用機会均等法が施行されて30年近く経ち、育児介護休業法が施行・改正がされたり、男女共同参画の活動が広く実施されていても、これが現実なのでしょうか。

……というような話をする私ですが、実は「女性は男性と同じように働くべき」という考え方ではありません。しいていうならば、「女性も男性と同じように働く選択肢があるべき」という考え方です。また同時に、「男性も女性と同じように働く選択肢」があるべきだと思っています。

初日にお話したように「女性が働き続ける五大障壁」体験者の私ですが、常に新しい「働き方」を模索した結果、今はとても幸せな人生を歩めていると思っています。それは、上から「こうあるべき」と言われるものではなく、働く私たちが自らの経験と思いから見つけていくものです。

さて、あなたは、どんな「働き方」を続けていきたいですか？

ずっとアクセルを全開で走り続けたい人もいるでしょう。状況に応じてアクセルを調節したい人もいるでしょう。エンジンをちゃんと止めて、区切りをつけてから走り出したい人もいるでしょう。そのためには、どんな「働き方」ができるといいでしょうか。どんな「働き方」なら、働き続けることができるでしょうか。自由なご意見をお待ちしています。

• 2010.09.14
• 田澤由利 （株）ワイズスタッフ代表取締役、（株）テレワークマネジメント代表取締役